ボリュームレシオ2について
ボリュームレシオ2の概要
Volume Ratio 2 (VR2)インジケーター | ||
ボリュームレシオ2 概要 ボリュームレシオ2は、上昇日、下降日、変わらず日の出来高を基に市場の買い圧力と売り圧力のバランスを測定する指標です。変わらず日の出来高を完全に分散して計算するため、特に変わらず日が多い市場での分析に向いています。ボリュームレシオ1に比べ、より精密な市場の勢い分析が可能です。 |
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かんたん解説 ボリュームレシオ2は、上昇日と下降日の出来高に変わらず日の出来高を均等に分散して加算します。値が100%以上なら買い圧力が強く、100%以下なら売り圧力が強いと判断します。 | ||
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評価 6/10 認知度が低く、利用シーンが限定的。 |
ボリュームレシオ2の長所
- 変わらず日の影響を正確に反映
特に変わらず日が多い場合でも、買い圧力と売り圧力を正確に測定可能です。 - 市場全体の正確な分析
出来高の変化に対する感度が高く、より安定した分析が可能です。 - ノイズに強い
市場の異常値や変わらず日の偏りによる影響を抑えます。
ボリュームレシオ2の弱点
- 計算が複雑
VR1に比べて計算式がやや複雑で、初心者には理解しづらい場合があります。 - 短期では不安定
短期間のデータでは極端な値が出る可能性があります。 - 単体では方向性を示さない
トレンドの方向を確認するには他の指標との併用が必要です。
ボリュームレシオ2の数値と解釈
ボリュームレシオ2の数値の意味
- 買い圧力が強い状態(100%以上)
上昇日の出来高が下降日の出来高を上回り、買い圧力が強い状態を示します。特に値が大きい(例: 200%以上)場合、市場が上昇トレンドにある可能性が高まります。 - 売り圧力が強い状態(100%以下)
下降日の出来高が上昇日の出来高を上回り、売り圧力が強い状態を示します。特に値が小さい(例: 70%以下)場合、市場が下降トレンドにある可能性が高まります。 - 極端な値(200%以上または70%以下)
200%以上で市場が過熱し、売りシグナルの可能性があります。一方で、70%以下では市場が冷え込み、買いシグナルとなる場合があります。
ボリュームレシオ2のサンプルチャート
以下は実際の2024年8月から12月までのTOYOTAの株価とボリュームレシオ2のグラフです。
ボリュームレシオ2での売買シグナル
- 値が200%以上
ボリュームレシオ2が200%以上の場合、買い圧力が非常に強い状態で、市場が過熱している可能性があります。このタイミングで売りを検討します。 - 値が70%以下
ボリュームレシオ2が70%以下の場合、売り圧力が非常に強い状態で、市場が冷え込んでいる可能性があります。このタイミングで買いを検討します。 - 極端な値からの反転
ボリュームレシオ2が極端な値(200%以上または70%以下)を示した後、値が反転した場合、トレンドの転換が示唆されることがあります。この際には買いまたは売りのタイミングを慎重に見極める必要があります。
ボリュームレシオ2と他の指標との併用
ボリュームレシオ2(VR2)は、市場の過熱感や冷え込みを測定する逆張り指標として役立ちます。他の指標と組み合わせることで、より高精度な分析が可能となります。以下は代表的な併用例です。
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RSI(相対力指数)との併用
ボリュームレシオ2が極端な値(200%以上または70%以下)を示した場合、RSIで買われすぎや売られすぎの状態を確認することで、反転の信頼性を高めることができます。 -
移動平均線(SMAまたはEMA)との併用
移動平均線を使用して市場全体のトレンドを把握しながら、ボリュームレシオ2で過熱感や冷え込みを補完的に分析します。特に、移動平均線が横ばいの相場ではVR2の信号を重視することが有効です。 -
MACDとの併用
MACDがトレンド方向や転換点を示すのに対し、ボリュームレシオ2は市場の勢いが過剰または弱まりすぎているポイントを示します。MACDのゼロライン越えやシグナルラインのクロスとVR2を組み合わせることで、より信頼性の高い売買タイミングを判断できます。
ボリュームレシオ2の計算式(参考)
ボリュームレシオ2は以下の手順で計算されます。
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計算式
ここで:
- 上昇日の出来高合計: 上昇日(前日の終値より当日の終値が高い日)の出来高の合計。
- 下降日の出来高合計: 下降日(前日の終値より当日の終値が低い日)の出来高の合計。
- 変わらず日の出来高合計: 変わらず日(前日の終値と当日の終値が同じ日)の出来高の合計。
- 期間: 一般的には25日が使用されます。
まとめ
ボリュームレシオ2は、変わらず日の出来高をより精密に考慮することで、VR1よりも正確な市場分析を可能にする指標です。特に安定したトレンド分析やノイズが多い市場で有効です。他の指標と組み合わせて利用することで、トレードの精度を向上させることができます。
インジケーターについて
インジケーターの弱点
- 過去データに依存
インジケーターは過去の価格や取引量を基に計算されるため、未来の価格変動を完全に予測するものではありません。予期せぬ中央銀行の発表や突発的な事態、政治動向の急変などには対応できません。 - 遅延が発生する
特に移動平均のようなトレンド系指標では、価格変動に対して反応が遅れるため、急激な変動に対応しにくい場合があります。 - ノイズへの敏感さ
短期指標では価格の一時的な動き(ノイズ)に敏感になりすぎ、誤ったシグナルが出やすいことがあります。 - 単独使用の限界
一つの指標だけでは情報が偏り、相場の全体像を正確に把握できないことが多いです。
インジケーターの弱点への対応策
- 複数指標の組み合わせを意識する
一つの指標に頼らず、異なる種類の指標(トレンド系とオシレーター系など)を組み合わせて使うと精度が向上します。 - 市場環境に合わせる
インジケーターの効果は、トレンド相場かレンジ相場かによって大きく異なるため、適切な指標を選ぶことが重要です。 - 過剰な複雑化を避ける
多くの指標を同時に使うと混乱を招き、明確な判断が難しくなることがあります。シンプルな組み合わせを心がけましょう。 - ファンダメンタルズも考慮する
インジケーターは価格の動きに焦点を当てているため、経済指標やニュースなどのファンダメンタルズを無視すると重要なリスクを見逃す可能性があります。 - 相場の変化に注意
過去に効果的だった指標や設定が、相場の状況が変わると機能しなくなることもあります。定期的な見直しが必要です。
株式市場における各種指標
ファンダメンタルズ指標 |
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| EBITDAマージン | EPS | PBR | PER | ROA | ROE | ROE拡張 | VWAP | インタレストカバレッジレシオ | キャッシュ比率 | フリーキャッシュフロー | 出来高 | 営業キャッシュフロー | 営業利益率 | 固定比率 | 売上高成長率 | 売買代金 | 当座比率 | 流動比率 | 純利益率 | 自己資本比率 | 負債比率 | 貸株金利 | 配当利回り | 配当性向 | 配当成長率 | 信用倍率 | |
信用取引関連指標 |
| 信用期限到来残高 | 信用残高 | 信用貸株金利 | 回転日数 | 日証金速報 | 空売り残高 | 空売り比率 | 融資残高 | 貸株残高 | 貸株金利 | 逆日歩 | |
トレンド系テクニカル指標 |
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オシレーター系テクニカル指標 |
| Aroon-Indicator | Aroon-Oscillator | ATR | CCI | DMI | DPO | MACD | RCI | RSI | UOS | ウィリアムズ%R | サイコロジカルライン | ストキャスティクス | ポラティリティレシオ | ボリュームレシオ1 | ボリュームレシオ2 | モメンタム | レシオケータ | 標本標準偏差 | 標準偏差 | |