ボリュームレシオ1の見方をわかりやすく解説 オシレーター系インジケーター

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指標は株式市場における価格変動やトレンドを分析するための情報を提供するものですが、必ずしも指標通りに市場が動くわけではありません。株式市場の価格は、経済状況、企業業績、ニュースや出来事、その他多数の要因によって複雑に影響されます。

取引における最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。本記事の内容を参考にして行われた取引による損益について、一切の責任を負いかねます。株式取引はリスクを伴う投資行動であり、元本割れや損失が発生する可能性があることを十分ご理解いただいた上で慎重にご判断ください。

ボリュームレシオ1について

ボリュームレシオ1の概要

Volume Ratio 1 (VR1)インジケーター

ボリュームレシオ1

概要 ボリュームレシオ1は、一定期間内の上昇日、下降日、変わらず日の出来高を比較して、市場の買い圧力と売り圧力のバランスを測定する指標です。値が高いほど買い圧力が強く、低いほど売り圧力が強い状態を示します。市場の過熱感や冷え込みを判断する逆張り指標として利用されます。

かんたん解説 ボリュームレシオ1は、上昇日の出来高合計と下降日の出来高合計を比較し、変わらず日の出来高を50%ずつ加算して計算します。値が100%以上なら買い圧力が強く、100%以下なら売り圧力が強いと判断します。
  • 買いと売りのバランスを可視化
    出来高データに基づいて市場の勢いを測定します。
  • 過熱感や冷え込みを判断
    極端な値がトレンド転換のシグナルとなる場合があります。
  • 簡単な計算
    出来高の合計値を比較するシンプルな構造です。
評価 6/10 認知度が低く、利用シーンが限定的。

ボリュームレシオ1の長所

  • 市場の勢いを数値化
    出来高を基に買い圧力と売り圧力のバランスを測定できます。
  • トレードタイミングの補助
    値が極端な場合、トレンド転換のシグナルとして活用可能です。
  • シンプルな計算式
    初心者でも理解しやすく、応用しやすい指標です。

ボリュームレシオ1の弱点

  • 出来高依存
    出来高が薄い市場では信頼性が低下します。
  • 方向性を示さない
    トレンドの方向を確認するためには他の指標との併用が必要です。
  • 短期間では不安定
    期間が短いと極端な値が出やすく、誤った判断を招く可能性があります。

ボリュームレシオ1の数値と解釈

ボリュームレシオ1の数値の意味

  • 買い圧力が強い状態(100%以上)
    上昇日の出来高が下降日の出来高を上回り、買い圧力が強い状態を示します。特に値が大きい(例: 200%以上)場合、市場が上昇トレンドにある可能性が高まります。
  • 売り圧力が強い状態(100%以下)
    下降日の出来高が上昇日の出来高を上回り、売り圧力が強い状態を示します。特に値が小さい(例: 70%以下)場合、市場が下降トレンドにある可能性が高まります。
  • 極端な値(200%以上または70%以下)
    200%以上で市場が過熱し、売りシグナルの可能性があります。一方で、70%以下では市場が冷え込み、買いシグナルとなる場合があります。

ボリュームレシオ1のサンプルチャート

以下は実際の2024年8月から12月までのTOYOTAの株価とボリュームレシオ1のグラフです。

ボリュームレシオ1での売買シグナル

  • 値が200%以上
    ボリュームレシオ1が200%以上の場合、買い圧力が非常に強い状態で、市場が過熱している可能性があります。このタイミングで売りを検討します。
  • 値が70%以下
    ボリュームレシオ1が70%以下の場合、売り圧力が非常に強い状態で、市場が冷え込んでいる可能性があります。このタイミングで買いを検討します。
  • 極端な値からの反転
    極端な値を示した後、ボリュームレシオ1が反転した場合、トレンドの転換が示唆されることがあります。

ボリュームレシオ1と他の指標との併用

ボリュームレシオ1(VR1)は、市場の買い圧力と売り圧力のバランスを測定する逆張り指標として役立ちます。他の指標と組み合わせることで、より精度の高い市場分析とトレード判断が可能です。以下は代表的な併用例です。

  • RSI(相対力指数)との併用
    ボリュームレシオ1が極端な値(200%以上または70%以下)を示した場合、RSIを使って買われすぎ・売られすぎの状態を確認することで、反転の信頼性を高めることができます。

  • 移動平均線(SMAまたはEMA)との併用
    移動平均線を使用して市場のトレンドを把握しつつ、ボリュームレシオ1で過熱感や冷え込みを補完的に分析します。移動平均線が上昇または下降トレンドを示している場合、VR1のシグナルの信頼性が向上します。

  • ストキャスティクスとの併用
    ボリュームレシオ1が過熱または冷え込みを示している場合、ストキャスティクスの%Kラインと%Dラインのクロスを確認することで、エントリーまたはエグジットのタイミングをより正確に判断できます。

ボリュームレシオ1の計算式(参考)

ボリュームレシオ1は以下の手順で計算されます。

  • 計算式

    VR1 = ( 上昇日の出来高 ) + 1 2 × 変わらず日の出来高 ( 下降日の出来高 ) + 1 2 × 変わらず日の出来高

    ここで:

    • 上昇日: 前日の終値より当日の終値が高い日。
    • 下降日: 前日の終値より当日の終値が低い日。
    • 変わらず日: 前日の終値と当日の終値が同じ日のこと。
    • 期間: 一般的には25日が使用されます。

まとめ

ボリュームレシオ1は、出来高データを活用して市場の買い圧力と売り圧力を測定するシンプルな指標です。特に逆張り戦略において、市場の過熱感や冷え込みを判断する際に有効です。他の指標と併用することで、トレードの精度を向上させることができます。

インジケーターについて

インジケーターの弱点

  • 過去データに依存
    インジケーターは過去の価格や取引量を基に計算されるため、未来の価格変動を完全に予測するものではありません。予期せぬ中央銀行の発表や突発的な事態、政治動向の急変などには対応できません。
  • 遅延が発生する
    特に移動平均のようなトレンド系指標では、価格変動に対して反応が遅れるため、急激な変動に対応しにくい場合があります。
  • ノイズへの敏感さ
    短期指標では価格の一時的な動き(ノイズ)に敏感になりすぎ、誤ったシグナルが出やすいことがあります。
  • 単独使用の限界
    一つの指標だけでは情報が偏り、相場の全体像を正確に把握できないことが多いです。

インジケーターの弱点への対応策

  • 複数指標の組み合わせを意識する
    一つの指標に頼らず、異なる種類の指標(トレンド系とオシレーター系など)を組み合わせて使うと精度が向上します。
  • 市場環境に合わせる
    インジケーターの効果は、トレンド相場かレンジ相場かによって大きく異なるため、適切な指標を選ぶことが重要です。
  • 過剰な複雑化を避ける
    多くの指標を同時に使うと混乱を招き、明確な判断が難しくなることがあります。シンプルな組み合わせを心がけましょう。
  • ファンダメンタルズも考慮する
    インジケーターは価格の動きに焦点を当てているため、経済指標やニュースなどのファンダメンタルズを無視すると重要なリスクを見逃す可能性があります。
  • 相場の変化に注意
    過去に効果的だった指標や設定が、相場の状況が変わると機能しなくなることもあります。定期的な見直しが必要です。

株式市場における各種指標

ファンダメンタルズ指標
| EBITDAマージン | EPS | PBR | PER | ROA | ROE | ROE拡張 | VWAP | インタレストカバレッジレシオ | キャッシュ比率 | フリーキャッシュフロー | 出来高 | 営業キャッシュフロー | 営業利益率 | 固定比率 | 売上高成長率 | 売買代金 | 当座比率 | 流動比率 | 純利益率 | 自己資本比率 | 負債比率 | 貸株金利 | 配当利回り | 配当性向 | 配当成長率 | 信用倍率 |
信用取引関連指標
| 信用期限到来残高 | 信用残高 | 信用貸株金利 | 回転日数 | 日証金速報 | 空売り残高 | 空売り比率 | 融資残高 | 貸株残高 | 貸株金利 | 逆日歩 |
トレンド系テクニカル指標
| EMA | HLバンド | Variable Volatility Stops | パラボリック | ピボットポイント | フィボナッチ(戻り・ザラ場) | フィボナッチ(戻り・終値) | フィボナッチ(新値・ザラ場) | ボリンジャーバンド | 一目均衡表 | 単純移動平均線 | 回帰トレンド |
オシレーター系テクニカル指標
| Aroon-Indicator | Aroon-Oscillator | ATR | CCI | DMI | DPO | MACD | RCI | RSI | UOS | ウィリアムズ%R | サイコロジカルライン | ストキャスティクス | ポラティリティレシオ | ボリュームレシオ1 | ボリュームレシオ2 | モメンタム | レシオケータ | 標本標準偏差 | 標準偏差 |