ストキャスティクスについて
ストキャスティクスの概要
Stochastic Oscillator インジケーター | ||
ストキャスティクス 概要 ストキャスティクスは、金融市場において買われすぎや売られすぎの状態を示すオシレーター型のインジケーターです。直近の終値を一定期間の価格範囲と比較することで、トレンドの反転ポイントやエントリータイミングを見つけるために使用されます。 |
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かんたん解説 過去一定期間の価格範囲における現在価格の位置を数値化します。KとDの2本のラインを基に買われすぎ・売られすぎの判断を行い、交差することで売買サインを示します。レンジ相場で特に効果的ですが、トレンド相場ではダマシが生じる場合があります。 | ||
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評価 9/10 オシレーター系指標として広く利用される、人気の高い指標。 |
ストキャスティクスの長所
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買われすぎ・売られすぎの明確な判断
80以上で買われすぎ、20以下で売られすぎの状態を簡単に把握できます。 -
短期的なエントリーやエグジットに有効
短期トレードやスキャルピングにおいて優れた精度を発揮します。 -
カスタマイズ性
期間やK、Dのスムージング設定を調整することで、様々な市場や銘柄に対応可能です。
ストキャスティクスの弱点
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トレンド相場での信頼性の低下
レンジ相場では効果的ですが、トレンド相場ではダマシが多く発生します。 -
過去のデータに依存
一定期間の価格範囲を基に計算されるため、現在の市場環境に適応しきれない場合があります。 -
頻繁なシグナル生成
感度が高いため、短期的なノイズで過剰な売買を誘発することがあります。
ストキャスティクスの見方
ストキャスティクスの設定
- 通常は%Kを14期間、%Dを3期間に設定します。短期トレードではこれらを短縮し、長期トレードでは長く設定することもあります。ここでの「期間」とは、日足では日、週足では週、分足では分を指します。
ストキャスティクスの各要素について
- Kライン
現在の終値が過去一定期間の価格範囲内でどの位置にあるかを示すラインです。感度が高く、市場の変化を迅速に反映します。 - Dライン
Kラインの移動平均(通常3日)を取ったラインで、Kよりも平滑化されています。このラインがKと交差することで売買シグナルが発生します。 - 80と20の水準
80を超えると買われすぎ、20を下回ると売られすぎとされる重要な基準です。
ストキャスティクスサンプルチャート
以下は2024年8月から12月までのトヨタ自動車の株価とストキャスティクスのチャート例です。
ストキャスティクスでわかるシグナル
- ゴールデンクロス(買いサイン)
DラインをKラインが下から上へクロスした場合、上昇トレンドの始まりを示唆します。 - デッドクロス(売りサイン)
DラインをKラインが上から下へクロスした場合、下降トレンドの始まりを示唆します。 - レンジ相場での反発ポイント
価格が20以下で反発、または80以上で反落することが多く、レンジ相場で有効なサインを生成します。
ストキャスティクスと他の指標との併用
ストキャスティクスは単独で使用するよりも他の指標と併用することで精度が向上します。
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RSIとの組み合わせ
RSIはトレンド全体の強さを示し、ストキャスティクスが短期的なシグナルを補完します。 -
移動平均線との併用
移動平均線で大局的なトレンドを把握し、ストキャスティクスでエントリーポイントを見極める方法が有効です。 -
ボリンジャーバンドとの併用
ボリンジャーバンドで価格の範囲を測り、ストキャスティクスで反発のタイミングを確認します。
ストキャスティクスの計算式(参考)
ストキャスティクスは以下の手順で計算されます。
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Kラインの計算
ここで:
- C: 現在の終値
- L_n: 過去n期間の最安値
- H_n: 過去n期間の最高値
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Dラインの計算
通常は3日間の単純移動平均(SMA)を計算します。
まとめ
ストキャスティクスは、特にレンジ相場において有効なインジケーターで、売買タイミングを見極める上で非常に役立ちます。一方でトレンド相場ではノイズが発生しやすいため、他の指標と併用し、状況に応じた使い分けを心がける必要があります。
インジケーターについて
インジケーターの弱点
- 過去データに依存
インジケーターは過去の価格や取引量を基に計算されるため、未来の価格変動を完全に予測するものではありません。予期せぬ中央銀行の発表や突発的な事態、政治動向の急変などには対応できません。 - 遅延が発生する
特に移動平均のようなトレンド系指標では、価格変動に対して反応が遅れるため、急激な変動に対応しにくい場合があります。 - ノイズへの敏感さ
短期指標では価格の一時的な動き(ノイズ)に敏感になりすぎ、誤ったシグナルが出やすいことがあります。 - 単独使用の限界
一つの指標だけでは情報が偏り、相場の全体像を正確に把握できないことが多いです。
インジケーターの弱点への対応策
- 複数指標の組み合わせを意識する
一つの指標に頼らず、異なる種類の指標(トレンド系とオシレーター系など)を組み合わせて使うと精度が向上します。 - 市場環境に合わせる
インジケーターの効果は、トレンド相場かレンジ相場かによって大きく異なるため、適切な指標を選ぶことが重要です。 - 過剰な複雑化を避ける
多くの指標を同時に使うと混乱を招き、明確な判断が難しくなることがあります。シンプルな組み合わせを心がけましょう。 - ファンダメンタルズも考慮する
インジケーターは価格の動きに焦点を当てているため、経済指標やニュースなどのファンダメンタルズを無視すると重要なリスクを見逃す可能性があります。 - 相場の変化に注意
過去に効果的だった指標や設定が、相場の状況が変わると機能しなくなることもあります。定期的な見直しが必要です。
株式市場における各種指標
ファンダメンタルズ指標 |
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| EBITDAマージン | EPS | PBR | PER | ROA | ROE | ROE拡張 | VWAP | インタレストカバレッジレシオ | キャッシュ比率 | フリーキャッシュフロー | 出来高 | 営業キャッシュフロー | 営業利益率 | 固定比率 | 売上高成長率 | 売買代金 | 当座比率 | 流動比率 | 純利益率 | 自己資本比率 | 負債比率 | 貸株金利 | 配当利回り | 配当性向 | 配当成長率 | 信用倍率 | |
信用取引関連指標 |
| 信用期限到来残高 | 信用残高 | 信用貸株金利 | 回転日数 | 日証金速報 | 空売り残高 | 空売り比率 | 融資残高 | 貸株残高 | 貸株金利 | 逆日歩 | |
トレンド系テクニカル指標 |
| EMA | HLバンド | Variable Volatility Stops | パラボリック | ピボットポイント | フィボナッチ(戻り・ザラ場) | フィボナッチ(戻り・終値) | フィボナッチ(新値・ザラ場) | ボリンジャーバンド | 一目均衡表 | 単純移動平均線 | 回帰トレンド | |
オシレーター系テクニカル指標 |
| Aroon-Indicator | Aroon-Oscillator | ATR | CCI | DMI | DPO | MACD | RCI | RSI | UOS | ウィリアムズ%R | サイコロジカルライン | ストキャスティクス | ポラティリティレシオ | ボリュームレシオ1 | ボリュームレシオ2 | モメンタム | レシオケータ | 標本標準偏差 | 標準偏差 | |