DMIの見方をわかりやすく解説 オシレーター系インジケーター

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指標は株式市場における価格変動やトレンドを分析するための情報を提供するものですが、必ずしも指標通りに市場が動くわけではありません。株式市場の価格は、経済状況、企業業績、ニュースや出来事、その他多数の要因によって複雑に影響されます。

取引における最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。本記事の内容を参考にして行われた取引による損益について、一切の責任を負いかねます。株式取引はリスクを伴う投資行動であり、元本割れや損失が発生する可能性があることを十分ご理解いただいた上で慎重にご判断ください。

DMIについて

DMIの概要

Directional Movement Indexインジケーター

DMI

概要 DMIは、トレンドの方向性と強さを測定するインジケーターで、トレンドフォロー型の戦略に適しています。+DI(プラス方向性指数)と-DI(マイナス方向性指数)、およびADX(平均方向性指数)で構成されます。

かんたん解説 +DIと-DIの関係を利用してトレンドの方向を、ADXを使ってトレンドの強さを判断します。トレンド相場での売買シグナルに効果的です。
  • トレンドフォロー型指標
    トレンドの方向性(+DIと-DI)と強さ(ADX)を確認できます。

  • 視覚的に分かりやすい
    +DIと-DIのクロスで方向性、ADXでトレンドの強さを一目で判断可能。

  • トレンド発見に強い
    特に明確なトレンド相場で効果を発揮します。

評価 8/10 トレンド系指標として有効で、人気が高い。

DMIの長所

  • トレンドの方向性と強さを同時に把握
    +DIと-DIで方向を、ADXでトレンドの強さを確認できるため、包括的な分析が可能。

  • トレンド相場での信頼性
    トレンドが強い場合、明確な売買シグナルを提供します。

  • ノイズが少ない
    横ばい相場での不要なシグナルを排除する傾向があります。

DMIの弱点

  • 横ばい相場での有効性が低い
    トレンドがない場合、シグナルが不明確になります。

  • ラグ(遅行性)
    計算式の特性上、トレンドが発生してからシグナルが遅れる場合があります。

  • 複雑さ
    他の指標に比べて計算が複雑で初心者には扱いにくいことがあります。

DMIの見方

DMIの設定

  • 通常は14期間です。短期トレードでは7~10期間、長期トレードでは20~30期間が使われます。短期間は反応が早いがノイズが多く、長期間は安定するが反応が遅れるため、トレードスタイルに合わせて調整することが重要です。ここでの「期間」とは、日足では、週足では、分足ではを指します。

DMIの各要素について

  • +DI(プラス方向性指数)
    価格が前日から上昇した幅を基に、上昇トレンドの強さを示します。
  • -DI(マイナス方向性指数)
    価格が前日から下落した幅を基に、下降トレンドの強さを示します。
  • ADX(平均方向性指数)
    トレンドの強さを示します。25以上はトレンドが強い、25未満はトレンドが弱いとされます。

DMIのサンプルチャート

以下は実際の2024年8月から12月までのTOYOTAの株価とDMIのグラフです。

DMIでの売買サイン

  • ゴールデンクロス(買いサイン)
    +DI-DIを下から上にクロスすると、上昇トレンドの始まりを示します。
  • デッドクロス(売りサイン)
    +DI-DIを上から下にクロスすると、下降トレンドの始まりを示します。
  • ADXの活用
    ADXが25以上でトレンドが強い場合、シグナルの信頼性が高まります。

DMIと他の指標との併用

DMIは他の指標と併用することで分析の精度を高めることができます。

  • RSIとの併用
    RSIで過熱感を確認しつつ、DMIでトレンド方向と強さを把握することで効果的なエントリー・エグジットを実現します。

  • MACDとの組み合わせ
    DMIでトレンドの強さを確認し、MACDで転換点を捉えることで補完的に使用します。

DMIの計算式(参考)

DMIは以下の手順で計算されます。

  • Directional Movement(DM)の計算
    +DM = 当日の高値 – 前日の高値(ただし正の場合のみ)
    -DM = 前日の安値 – 当日の安値(ただし正の場合のみ)

  • +DIと-DIの計算
    +DI = (+DMの合計 ÷ True Rangeの合計) × 100
    -DI = (-DMの合計 ÷ True Rangeの合計) × 100

  • ADXの計算
    ADX = ((前日のADX × (期間 – 1)) + 当日のDX) ÷ 期間

    ここでDXは、DX = ((|+DI – -DI| ÷ (+DI + -DI)) × 100) で計算されます。

まとめ

DMIは、トレンドの方向性と強さを総合的に判断できる強力な指標です。ただし、横ばい相場では効果が低いため、他の指標と併用することで精度を高めることが推奨されます。トレンドフォロー型のトレード戦略を構築する際には非常に役立つツールです。

インジケーターについて

インジケーターの弱点

  • 過去データに依存
    インジケーターは過去の価格や取引量を基に計算されるため、未来の価格変動を完全に予測するものではありません。予期せぬ中央銀行の発表や突発的な事態、政治動向の急変などには対応できません。
  • 遅延が発生する
    特に移動平均のようなトレンド系指標では、価格変動に対して反応が遅れるため、急激な変動に対応しにくい場合があります。
  • ノイズへの敏感さ
    短期指標では価格の一時的な動き(ノイズ)に敏感になりすぎ、誤ったシグナルが出やすいことがあります。
  • 単独使用の限界
    一つの指標だけでは情報が偏り、相場の全体像を正確に把握できないことが多いです。

インジケーターの弱点への対応策

  • 複数指標の組み合わせを意識する
    一つの指標に頼らず、異なる種類の指標(トレンド系とオシレーター系など)を組み合わせて使うと精度が向上します。
  • 市場環境に合わせる
    インジケーターの効果は、トレンド相場かレンジ相場かによって大きく異なるため、適切な指標を選ぶことが重要です。
  • 過剰な複雑化を避ける
    多くの指標を同時に使うと混乱を招き、明確な判断が難しくなることがあります。シンプルな組み合わせを心がけましょう。
  • ファンダメンタルズも考慮する
    インジケーターは価格の動きに焦点を当てているため、経済指標やニュースなどのファンダメンタルズを無視すると重要なリスクを見逃す可能性があります。
  • 相場の変化に注意
    過去に効果的だった指標や設定が、相場の状況が変わると機能しなくなることもあります。定期的な見直しが必要です。

株式市場における各種指標

ファンダメンタルズ指標
| EBITDAマージン | EPS | PBR | PER | ROA | ROE | ROE拡張 | VWAP | インタレストカバレッジレシオ | キャッシュ比率 | フリーキャッシュフロー | 出来高 | 営業キャッシュフロー | 営業利益率 | 固定比率 | 売上高成長率 | 売買代金 | 当座比率 | 流動比率 | 純利益率 | 自己資本比率 | 負債比率 | 貸株金利 | 配当利回り | 配当性向 | 配当成長率 | 信用倍率 |
信用取引関連指標
| 信用期限到来残高 | 信用残高 | 信用貸株金利 | 回転日数 | 日証金速報 | 空売り残高 | 空売り比率 | 融資残高 | 貸株残高 | 貸株金利 | 逆日歩 |
トレンド系テクニカル指標
| EMA | HLバンド | Variable Volatility Stops | パラボリック | ピボットポイント | フィボナッチ(戻り・ザラ場) | フィボナッチ(戻り・終値) | フィボナッチ(新値・ザラ場) | ボリンジャーバンド | 一目均衡表 | 単純移動平均線 | 回帰トレンド |
オシレーター系テクニカル指標
| Aroon-Indicator | Aroon-Oscillator | ATR | CCI | DMI | DPO | MACD | RCI | RSI | UOS | ウィリアムズ%R | サイコロジカルライン | ストキャスティクス | ポラティリティレシオ | ボリュームレシオ1 | ボリュームレシオ2 | モメンタム | レシオケータ | 標本標準偏差 | 標準偏差 |