受動態の省略:by ~ を省略する理由
この記事で学ぶこと
- 行為者が重要でない、または特定する必要がない場合に「by ~」を省略
英語の受動態(passive voice)では、「by ~」が省略されることがよくあります。省略される主な理由は、行為者が重要でない、すでに分かっている、または言及する必要がない場合です。このような場合、省略することで文が自然でスムーズになります。本記事では、「by ~」を省略するケースとその理由について具体例を交えて解説します。
「by ~」が省略されるケース
受動態で「by ~」が省略されるのは、行為者が誰であるかが重要ではない場合です。以下のケースで特に一般的です。
- 行為者が明白な場合: 特定の行為者がわかりきっている場合、「by ~」を省略することで文が簡潔になります。
- 行為者が不特定または不明な場合: 行為者に注目せず、結果だけを伝えたい場合に省略されます。
- 行為者が重要でない場合: 行為者を強調する必要がない場合、受動態を使って行為者を省略できます。
「by ~」を省略することで自然になる理由
「by ~」を省略することで、文はより自然に聞こえることがあります。これは、文の焦点が「誰が行ったか」ではなく「何が行われたか」に移るからです。例えば、ニュース記事や学術論文などでは、行為者が重要でないため、省略されることが多いです。
- 例: The building was completed in 2020.(その建物は2020年に完成しました。)
この例では、建物を完成させた「誰か」は重要ではなく、建物が完成した事実だけが伝えられています。
「by ~」を省略しない場合
一方で、行為者を明確に伝える必要がある場合は、「by ~」を省略しません。特に行為者が重要な情報である場合や、文脈上行為者を強調する必要がある場合に用います。
- 例: The project was completed by a team of experts.(そのプロジェクトは専門家チームによって完了しました。)
この例では、プロジェクトを完了させたのが「専門家チーム」であることが重要な情報となっています。
受動態と「by ~」の省略を整理
以下の表で、「by ~」を省略するケースと省略しないケースを整理しました。
ケース | 例文 | 説明 |
---|---|---|
行為者が不明または不特定 | The window was broken. | 「by ~」が省略され、行為者は明示されていません。 |
行為者が重要 | The window was broken by the children. | 行為者が明示され、誰が窓を壊したかが重要です。 |
例文集
ここでは、受動態で「by ~」が省略される例文を5つ紹介します。各例文には解説と訳文をつけていますので、使い方を確認してください。
- The report was submitted on time.
解説: 誰がレポートを提出したかは重要ではなく、結果が重要であるため「by ~」が省略されています。
訳文: レポートは期限内に提出されました。
- The car was repaired last week.
解説: 修理をした人物は特定する必要がないため、省略されています。
訳文: その車は先週修理されました。
- The new product was launched yesterday.
解説: 製品の発売が重要な情報であり、誰が発売したかは言及されていません。
訳文: 新しい製品は昨日発売されました。
- The package was delivered this morning.
解説: 誰が配達したかは重要ではないため、「by ~」は省略されています。
訳文: 荷物は今朝配達されました。
- The decision was made after much consideration.
解説: 誰が決定を下したかよりも、決定が行われたという事実が重要です。
訳文: 十分な検討の後に決定がなされました。