賃金の相殺の禁止、相殺が許されるパターンは 労働基準法 社労士試験

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禁止事項

労働者を拘束することがないいよう、いくつかの禁止事項がある。ただし、労働者が自らの自由な意思で認める場合は許される。

損害賠償の予定 損害賠償の金額を予定してはならないが、損害賠償の請求は可

付随契約 労働契約に付随した貯蓄契約・貯蓄金管理契約

相殺禁止 前貸債権と賃金の相殺(労働者の自由意志に基づく、同意を得て行う相殺は許される)

過払い賃金精算のための調整的相殺は、労働者の経済生活の安定を害さない限り許される

相殺禁止の考え方

  • 使用者側から前借金と賃金とを相殺してはならないのであって、労働者側から「自らの意思で」前借金と賃金とを相殺することは問題ない
  • 労働者不法行為に対する損害賠償債権と賃金の相殺も許されない。損害賠償は、とりあえず、支払った後の問題となる。
労働者側からの相殺は禁止されていない。労働者に不利益がないからである。
相殺が禁止されているのであって、金銭を借り受けることだけでは違反とならない。

※労働することを条件とした債権との相殺の禁止であり、単に使用者が金銭を貸すことは禁止されていない

※労働基準法は「前貸しの債権と賃金を相殺すること」を禁止しているのであって、相殺全てを禁止しているわけではない
H25-06E 労働契約を締結する際、労働者の親権者が使用者から多額の金銭を借り受けることは、人身売買や労働者の不当な足止めにつながる恐れがあるため、当該労働者の賃金と相殺されるか否かを問わず、労働基準法17条に違反する
× 違反しない。前貸債権と賃金の相殺がないのであれば、違反とはならない。一見して身分拘束を伴うように思えるが、法17条に関していえば反しておらず、また、そのことから不当な足止めにつながる恐れがあるとは言えないためである。本問では強制労働に繋がるという話ではなく、あくまで17条に違反するかどうかを問われている。
予定と強制、即違法
損害賠償の予定は契約行為自体で違反となる。強制労働も強要した時点で違反。結果は無関係。

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