特徴量とターゲットの理解 | 機械学習の基本概念 | Pythonによる機械学習を学ぶ

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特徴量(フィーチャー)とターゲットの理解

この記事では、機械学習における「特徴量(フィーチャー)」と「ターゲット」の基本的な概念と、それらがどのように使われるかについて解説します。機械学習のモデルは、これらの要素を基にして学習し、新しいデータに対する予測や分類を行います。Pythonでの実装例も交えながら、初心者でも理解しやすい内容を心がけています。

特徴量(フィーチャー)とは?

特徴量(フィーチャー)とは、データの中でモデルに提供する入力変数のことです。機械学習モデルは、これらの特徴量からパターンを学習し、ターゲット(出力)を予測します。

例えば、住宅価格を予測するモデルの場合、特徴量には以下のようなものが考えられます。

  • 家の面積
  • 部屋の数
  • 築年数
  • 立地

これらの特徴量は、モデルが価格を予測する際に利用される情報源です。

特徴量の種類

特徴量にはさまざまな種類があり、モデルの種類やタスクに応じて適切な形に変換する必要があります。

特徴量の種類 説明
数値特徴量 数値データとして扱われる特徴量。 年齢、収入、面積など。
カテゴリ特徴量 有限のカテゴリに分類される特徴量。 性別、国籍、職業など。
テキスト特徴量 文字列や文章データを特徴量とする。 レビューの内容、製品の説明など。
画像特徴量 画像データを特徴量として使用。 ピクセル情報、エッジ検出結果など。

ターゲットとは?

ターゲットとは、モデルが予測したい出力値、または目的変数のことです。ターゲットは、回帰問題では連続的な値、分類問題では離散的なラベルとなることが多いです。

例として、以下のような問題が考えられます。

  • 回帰問題: 家の価格、株価、気温などの数値を予測する。
  • 分類問題: 画像が「猫」か「犬」か、メールが「スパム」か「通常」かを分類する。

ターゲットは、訓練データにおいて既知であり、それに基づいてモデルを訓練します。テストデータに対しては、モデルがこのターゲットを予測するのが目的です。

ターゲットの種類

ターゲットも特徴量と同様に、タスクによって様々な形を取ります。

ターゲットの種類 説明
数値ターゲット 回帰問題で予測する連続的な数値。 住宅価格、株価、気温など。
カテゴリターゲット 分類問題で予測するカテゴリラベル。 メール分類(スパム/非スパム)、ペットの種類(猫/犬)。

特徴量とターゲットの例

以下は、Pythonを使って特徴量とターゲットを設定し、回帰問題の例を解説します。この例では、住宅の面積と部屋数を特徴量として、住宅価格をターゲットとして予測するモデルを構築します。


import pandas as pd
from sklearn.model_selection import train_test_split
from sklearn.linear_model import LinearRegression
from sklearn.metrics import mean_squared_error

# 仮のデータセットを作成
data = pd.DataFrame({
    'area': [50, 60, 70, 80, 90],  # 面積(特徴量)
    'bedrooms': [1, 2, 3, 3, 4],   # 部屋数(特徴量)
    'price': [300, 400, 500, 550, 650]  # 価格(ターゲット)
})

# 特徴量(X)とターゲット(y)に分割
X = data[['area', 'bedrooms']]  # Xが特徴量
y = data['price']               # yがターゲット

# 訓練データとテストデータに分割
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.2, random_state=42)

# 線形回帰モデルの作成
model = LinearRegression()

# モデルの訓練
model.fit(X_train, y_train)

# テストデータで予測
y_pred = model.predict(X_test)

# モデルの評価(平均二乗誤差の計算)
mse = mean_squared_error(y_test, y_pred)
print(f'Mean Squared Error: {mse}')

この例では、area(面積)とbedrooms(部屋数)を特徴量として使用し、price(価格)をターゲットとする線形回帰モデルを構築しています。データを訓練データとテストデータに分割し、モデルを訓練してから、テストデータを使って価格を予測しています。最後に、予測結果と実際のターゲットとの誤差を評価します。

特徴量エンジニアリング

実際のデータセットでは、特徴量をそのまま使用するだけでなく、以下のように新しい特徴量を作成したり、前処理を行ったりする「特徴量エンジニアリング」が重要です。

特徴量エンジニアリングのステップ

  1. 欠損値の処理: 特徴量に欠損値が含まれている場合、削除するか、平均値や中央値で補完する。
  2. カテゴリデータのエンコーディング: カテゴリデータは、OneHotEncodingLabelEncodingを使用して数値データに変換する。
  3. 標準化と正規化: 特徴量のスケールが異なる場合、StandardScalerMinMaxScalerでスケーリングを行う。
  4. 新しい特徴量の作成: 特徴量同士の掛け算や足し算、新しい指標の計算などで、より良い予測ができる特徴量を作成する。

Pythonでの特徴量エンジニアリングの例


from sklearn.preprocessing import StandardScaler

# データの標準化
scaler = StandardScaler()
X_scaled = scaler.fit_transform(X)

# 標準化後のデータを表示
print(X_scaled)

このコードでは、StandardScalerを使って、特徴量を標準化しています。標準化は、モデルが各特徴量を同じスケールで処理できるようにするために重要です。

まとめ

特徴量とターゲットは、機械学習モデルにおいて非常に重要な要素です。モデルがこれらのデータを基に学習し、予測や分類を行います。特徴量の種類や適切な前処理、ターゲットの設定がモデルの性能に大きな影響を与えるため、これらの要素を正しく理解し、適切に処理することが成功の鍵です。