集合の生成と基本操作
Pythonの「集合」は、重複のない要素の集まりを管理するために使用されるデータ型です。集合は他のデータ型とは異なり、要素の順序が保持されない点が特徴です。この節では、集合の生成方法と基本的な操作について詳しく説明します。
集合の生成
集合を生成するには、set()
関数または波括弧 {}
を使用します。以下に基本的な生成方法を示します。
# 空の集合の生成
empty_set = set()
# 要素を持つ集合の生成
fruits = {"りんご", "バナナ", "みかん"}
# 重複する要素は1つにまとめられる
numbers = {1, 2, 2, 3, 4, 4, 5}
print(numbers) # 出力: {1, 2, 3, 4, 5}
集合の基本操作
集合には以下の基本操作が可能です。
- 要素の追加
- 要素の削除
- 要素の検索
- 集合間の演算(和、積、差など)
要素の追加と削除
集合に要素を追加するには add()
メソッドを、要素を削除するには remove()
または discard()
メソッドを使用します。
# 集合への要素の追加
fruits.add("ぶどう")
print(fruits) # 出力: {"りんご", "バナナ", "みかん", "ぶどう"}
# 集合からの要素の削除
fruits.remove("バナナ")
print(fruits) # 出力: {"りんご", "みかん", "ぶどう"}
# 存在しない要素を削除する際は discard を使うと安全
fruits.discard("パイナップル") # エラーが発生しない
集合間の演算
集合同士の演算には、以下のような方法があります。
- 和集合 (union): 両方の集合の全ての要素を含む集合
- 積集合 (intersection): 両方の集合に共通する要素を含む集合
- 差集合 (difference): 片方の集合からもう一方の集合に含まれない要素を含む集合
# 和集合
A = {1, 2, 3}
B = {3, 4, 5}
print(A | B) # 出力: {1, 2, 3, 4, 5}
# 積集合
print(A & B) # 出力: {3}
# 差集合
print(A - B) # 出力: {1, 2}
集合の要素検索
集合に特定の要素が含まれているかどうかを確認するには、in
演算子を使用します。
fruits = {"りんご", "バナナ", "みかん"}
# "りんご" が集合に含まれているか確認
print("りんご" in fruits) # 出力: True
# "ぶどう" が集合に含まれているか確認
print("ぶどう" in fruits) # 出力: False
集合の基本操作まとめ
操作 | メソッド | 例 |
---|---|---|
要素の追加 | add() |
fruits.add("ぶどう") |
要素の削除 | remove() , discard() |
fruits.remove("バナナ") |
和集合 | union() または | |
A | B |
積集合 | intersection() または & |
A & B |
差集合 | difference() または - |
A - B |
まとめ
集合は、重複を許さない要素の集まりを管理するのに非常に便利なデータ型です。集合の生成、要素の追加・削除、さらに集合間の演算など、基本的な操作を理解することで、効率的に集合データを扱うことができます。特に集合間の演算を活用すると、複雑なデータ操作も簡単に行うことができるため、実務でも役立つ場面が多いでしょう。