引数と戻り値
関数の引数と戻り値は、プログラムの再利用性を高め、複雑な計算や処理を簡潔に実現するための重要な要素です。この記事では、Pythonにおける関数の引数と戻り値について基本から解説します。
引数とは
引数(arguments
)とは、関数に渡される値のことを指します。関数は、引数を受け取り、その引数に基づいて処理を行うことができます。引数を定義するには、関数定義のカッコ内に引数名を指定します。次の例では、2つの引数を受け取る関数を定義しています。
# 引数を持つ関数の定義
def greet(name, age):
print(f"こんにちは、{name}さん。あなたは{age}歳です。")
この関数は、名前と年齢を引数として受け取り、それに基づいてメッセージを出力します。
# 関数の呼び出し例
greet("太郎", 25)
この呼び出しは次のように出力されます。
こんにちは、太郎さん。あなたは25歳です。
戻り値とは
戻り値(return value
)とは、関数が処理結果として返す値のことです。Pythonでは、return
文を使って関数の処理結果を呼び出し元に返すことができます。次の例では、2つの数値を加算して結果を返す関数を定義しています。
# 戻り値を持つ関数の定義
def add(a, b):
return a + b
この関数を呼び出すと、2つの数値を加算した結果が返されます。
# 関数の呼び出し例
result = add(10, 20)
print(result) # 出力: 30
このように、関数は処理結果を返し、その結果を他の処理で使うことができます。
デフォルト引数
Pythonでは、引数にデフォルト値を設定することができます。デフォルト引数を使うと、関数を呼び出す際に引数を省略でき、引数が指定されなかった場合にはデフォルト値が使用されます。
# デフォルト引数を持つ関数
def greet(name="ゲスト"):
print(f"こんにちは、{name}さん!")
この関数を引数を指定せずに呼び出すと、デフォルト値「ゲスト」が使われます。
# 関数の呼び出し例
greet() # 出力: こんにちは、ゲストさん!
複数の戻り値
Pythonでは、関数が複数の値を戻すことも可能です。return
文で複数の値をカンマ区切りで指定することで、タプルとして複数の戻り値を返すことができます。
# 複数の戻り値を持つ関数
def calculate(a, b):
sum_value = a + b
diff_value = a - b
return sum_value, diff_value
この関数を呼び出すと、加算結果と減算結果の両方が返されます。
# 関数の呼び出し例
sum_result, diff_result = calculate(10, 5)
print("加算結果:", sum_result) # 出力: 加算結果: 15
print("減算結果:", diff_result) # 出力: 減算結果: 5
引数と戻り値のまとめ
用語 | 説明 |
---|---|
引数 | 関数に渡される値。関数が処理に使用する。 |
戻り値 | 関数が返す結果。return 文で指定する。 |
デフォルト引数 | 引数が指定されなかった場合に使用されるデフォルト値。 |
複数の戻り値 | 関数が複数の結果をタプルとして返す。 |
まとめ
Pythonの関数では、引数を使って関数に値を渡し、戻り値でその結果を返すことができます。デフォルト引数や複数の戻り値を活用することで、柔軟な関数設計が可能になります。関数の引数と戻り値を適切に活用することで、再利用性が高く、効率的なコードを書くことができるようになります。