発生順序とキャプチャリング | イベントの発生タイミング | JavaScript 超完全入門 基本から発展までのすべて

現在作成中です。今後加筆修正してまいります。
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イベントの発生順序とは?

JavaScriptでイベントが発生したとき、ブラウザは特定の順序でイベントを処理します。この順序を理解することは、複雑なイベント処理を行う際に非常に重要です。特に、キャプチャリングとバブリングというイベントの伝播の仕組みが影響します。

キャプチャリングとバブリングの復習

イベント伝播には大きく分けて2つのフェーズがあります。

  • キャプチャリングフェーズ: 最外部の要素からターゲット要素に向かってイベントが伝播する
  • バブリングフェーズ: ターゲット要素から最外部の要素に向かってイベントが伝播する

キャプチャリングフェーズは、要素の階層を外側から内側へたどるフェーズです。一方、バブリングフェーズは、イベントがターゲット要素で発生した後、外側へ向かって再びイベントが伝わるフェーズです。

イベントの発生順序の基本的な例

イベントがどの順序で発生するかを以下のコード例で確認します。

const div = document.querySelector("div");
const button = document.querySelector("button");

// キャプチャリングフェーズでのリスナー
div.addEventListener("click", function() {
    console.log("div: キャプチャリングフェーズ");
}, true);

// バブリングフェーズでのリスナー
div.addEventListener("click", function() {
    console.log("div: バブリングフェーズ");
}, false);

// ターゲット要素でのリスナー
button.addEventListener("click", function() {
    console.log("button: イベントターゲット");
}, false);

このコードでは、キャプチャリングフェーズとバブリングフェーズの両方でdivbuttonに対するイベントリスナーが設定されています。クリックイベントが発生すると、次の順序でイベントが発生します。

  1. キャプチャリングフェーズ: div要素にキャプチャリングリスナーが反応
  2. ターゲットフェーズ: クリックされたbutton要素でリスナーが反応
  3. バブリングフェーズ: div要素にバブリングリスナーが反応

キャプチャリングフェーズとバブリングフェーズの違い

フェーズ 動作
キャプチャリングフェーズ 外部要素から内側のターゲット要素へ向かってイベントが伝わる
ターゲットフェーズ ターゲット要素でイベントが発生
バブリングフェーズ ターゲット要素から外部要素に向かってイベントが伝わる

キャプチャリングの利用

キャプチャリングフェーズは、イベントが発生した要素よりも外側の要素で先に処理を行いたい場合に役立ちます。通常、キャプチャリングはデフォルトで無効化されていますが、addEventListenerの第3引数にtrueを指定することで有効にできます。

キャプチャリングを有効にした例

const div = document.querySelector("div");
const button = document.querySelector("button");

// キャプチャリングフェーズでのリスナー
div.addEventListener("click", function(event) {
    console.log("div: キャプチャリングフェーズ");
}, true);

// バブリングフェーズでのリスナー
button.addEventListener("click", function(event) {
    console.log("button: バブリングフェーズ");
}, false);

この例では、クリックイベントがまずdiv要素のキャプチャリングフェーズで処理され、その後ターゲット要素であるbuttonが処理されます。

イベントフローの制御

イベントの発生順序や伝播を制御するために、stopPropagation()stopImmediatePropagation()を使用して、イベントが親要素に伝わるのを防ぐことができます。

イベント伝播を防ぐ例

const div = document.querySelector("div");
const button = document.querySelector("button");

// buttonのクリックでイベントの伝播を停止
button.addEventListener("click", function(event) {
    console.log("button: クリックされました");
    event.stopPropagation();  // イベントがdivに伝わらない
});

// divのクリックリスナー
div.addEventListener("click", function(event) {
    console.log("div: クリックされました");
});

この例では、button要素のクリックイベントでstopPropagation()を使用し、イベントがdiv要素に伝わらないようにしています。

キャプチャリングとバブリングの使い分け

キャプチャリングとバブリングは、どちらのフェーズでイベントを処理するかによって使い分けられます。通常、バブリングフェーズがデフォルトで使用されますが、特定の状況ではキャプチャリングフェーズが役立つこともあります。たとえば、UI全体で先に外部要素を処理したい場合や、イベントの順序が重要な場合には、キャプチャリングを使用します。

キャプチャリングとバブリングの違いのまとめ

フェーズ 動作の順序 主な使用目的
キャプチャリング 外側から内側へイベントが伝わる 外部要素で先に処理したい場合
バブリング 内側から外側へイベントが伝わる 内側の要素で先に処理し、その後外側で処理

まとめ

JavaScriptのイベント発生順序とキャプチャリングを理解することで、イベントの処理タイミングや伝播の仕組みを制御できるようになります。キャプチャリングフェーズとバブリングフェーズを使い分けることで、より柔軟なイベント処理が可能になります。イベントの発生順序を正しく理解し、適切に伝播を制御することで、UIのインタラクションがよりスムーズに実装できます。