シングルスレッドとコールバック | 非同期処理とは? | JavaScript 超完全入門 基本から発展までのすべて

現在作成中です。今後加筆修正してまいります。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シングルスレッドとは?

JavaScriptは「シングルスレッド」という仕組みで動作します。これは、一度に一つの命令しか実行できないということを意味します。シングルスレッド環境では、すべてのコードが順番に処理され、1つの処理が完了するまで次の処理は実行されません。この特徴は、シンプルですが、長時間かかる処理があるとその間に他の操作が停止してしまうという問題があります。

シングルスレッドと非同期処理

JavaScriptでは、シングルスレッドで動作しているにも関わらず、非同期処理を使って複数の操作を同時に行っているように見せることができます。これを実現しているのが、コールバック関数です。非同期処理を使うことで、時間がかかる処理を待つ間にも他の操作を実行することが可能になります。

同期処理と非同期処理の違い

以下の表は、同期処理と非同期処理の違いを示しています。

処理の種類 特徴
同期処理 一度に一つの処理を順番に実行し、前の処理が完了するまで次の処理が開始されない。
非同期処理 時間のかかる処理を待たずに次の処理を進め、処理が完了したときに結果を受け取る。

コールバック関数とは?

コールバック関数は、ある処理が完了したときに呼び出される関数のことです。特に、非同期処理において非常に重要な役割を果たします。コールバック関数を使うことで、シングルスレッドの制約を克服し、時間のかかる処理が完了したタイミングで必要な操作を実行できます。

コールバック関数の基本的な使い方

// データを取得する関数
function fetchData(callback) {
    setTimeout(function() {
        console.log("データを取得しました");
        callback(); // データ取得後にコールバック関数を呼び出す
    }, 2000); // 2秒後にデータ取得
}

// コールバック関数
function processData() {
    console.log("データを処理します");
}

// fetchData関数を呼び出し、データ取得後にprocessData関数を実行
fetchData(processData);

この例では、fetchData関数がデータを取得し、その後にprocessDataというコールバック関数が実行されます。非同期処理が完了した後に、コールバック関数を通じて次の処理を行っています。

シングルスレッド環境でのコールバックのメリット

シングルスレッド環境において、コールバック関数を使うメリットには以下のような点があります。

メリット 説明
長時間の処理を待たない 時間のかかる処理(例: サーバーからのデータ取得)を待たずに、他の処理を進めることができる。
UIがスムーズに動作する 非同期処理を使うことで、UIが「フリーズ」することなく、スムーズに動作し続ける。

コールバック地獄に注意

コールバック関数は非常に便利ですが、多くのコールバックを使うとコードが複雑になり、いわゆる「コールバック地獄」に陥る可能性があります。コールバックが多重にネストされると、コードが読みづらく、保守が難しくなります。

fetchData(function() {
    processData(function() {
        renderData(function() {
            saveData(function() {
                console.log("データを保存しました");
            });
        });
    });
});

このようにコールバック関数が多重にネストされると、コードの可読性が低下します。これを解決する方法として、Promiseasync/awaitを使うことが一般的です。

コールバックからPromise、async/awaitへの進化

JavaScriptでは、コールバックの代わりにPromiseやasync/awaitを使って、非同期処理をより簡潔で読みやすく記述できるようになっています。これにより、非同期処理のフローがより直感的になり、コールバック地獄を避けることができます。

Promiseの例

// Promiseを使った非同期処理
function fetchData() {
    return new Promise(function(resolve) {
        setTimeout(function() {
            console.log("データを取得しました");
            resolve();
        }, 2000);
    });
}

fetchData().then(function() {
    console.log("データを処理します");
});

async/awaitの例

async function processData() {
    await fetchData();
    console.log("データを処理します");
}

processData();

Promiseやasync/awaitを使うことで、非同期処理をよりシンプルに記述でき、コールバック地獄を避けることができます。

まとめ

JavaScriptのシングルスレッド環境では、すべての処理が順番に実行されますが、非同期処理とコールバック関数を使うことで、時間のかかる操作を待たずに次の処理を進めることができます。コールバックは強力な手法ですが、Promiseやasync/awaitを使うことで、より読みやすく効率的なコードを書くことが可能です。