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Resumeの概要
エラーハンドリング VBAの予約語 | ||
Resume 概要 Resume は、VBAでエラーハンドリングの処理を制御するために使用されます。エラーが発生した後に、指定した場所から処理を再開できます。 わかりやすく説明 Resume は、「エラーが起きたけど、どこから処理を続けるか決めるよ!」という命令です。エラーが発生しても、適切な場所から再開することができます。 |
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Resume の基本的な使い方
Resume を使って、エラーが発生した行から処理を再開する基本的な例です。
Sub ErrorHandlingExample()
On Error GoTo ErrorHandler
' エラーが発生する可能性のある処理
Dim x As Integer
x = 10 / 0 ' ここでエラー発生
Exit Sub
ErrorHandler:
MsgBox "エラーが発生しました: " & Err.Description, vbExclamation, "エラー"
Resume ' エラーが発生した行から再開
End Sub
解説:
On Error GoTo ErrorHandler
でエラー時にエラーハンドラへ移動。- エラーが発生すると
ErrorHandler
にジャンプし、メッセージを表示。 Resume
を実行すると、エラーが発生した行(x = 10 / 0
)から再開するため、再びエラーが発生する。
Resume Next を使ってエラーをスキップする
Resume Next を使うと、エラーが発生しても次の行から処理を続行できます。
Sub ResumeNextExample()
On Error Resume Next
' エラーが発生してもスキップして次の行へ
Dim x As Integer
x = 10 / 0 ' エラー発生 → スキップ
MsgBox "処理が続行されました", vbInformation, "Resume Next"
End Sub
解説:
On Error Resume Next
を使うと、エラーが発生しても次の行から処理を続行する。- エラー処理をせずに続行するため、意図しない結果になる可能性がある。
Resume [ラベル] を使って特定の場所から再開
Resume にラベルを指定すると、特定の行から処理を再開できます。
Sub ResumeLabelExample()
On Error GoTo ErrorHandler
Dim x As Integer
x = 10 / 0 ' ここでエラー発生
Exit Sub
ErrorHandler:
MsgBox "エラー発生: " & Err.Description, vbExclamation, "エラー"
Resume ContinueHere ' 指定した行から処理を再開
ContinueHere:
MsgBox "エラー後の処理を実行", vbInformation, "処理継続"
End Sub
解説:
- エラーが発生すると
ErrorHandler
にジャンプ。 Resume ContinueHere
でContinueHere:
から処理を再開。
ExcelでのResumeの活用例(セル値を安全に取得)
Excelのセルデータを取得する際に、エラーを回避しながら処理を続行する例です。
Sub SafeReadCell()
On Error Resume Next
Dim value As Variant
value = Cells(1, 1).Value ' A1の値を取得
If Err.Number <> 0 Then
MsgBox "エラーが発生しました: " & Err.Description, vbExclamation, "エラー"
Err.Clear
Else
MsgBox "取得した値: " & value, vbInformation, "成功"
End If
End Sub
解説:
On Error Resume Next
を使い、セルの取得時にエラーが発生しても処理を続行。- エラーが発生した場合、メッセージを表示し、
Err.Clear
でエラーをクリア。
エラーを回避する方法
Resume を使う際に、無限ループや意図しないエラー再発を防ぐため、適切な処理を追加します。
Sub SafeResume()
On Error GoTo ErrorHandler
Dim x As Integer
x = 10 / 0 ' ここでエラー発生
Exit Sub
ErrorHandler:
MsgBox "エラー発生: " & Err.Description, vbExclamation, "エラー"
' エラーが繰り返し発生しないよう、Resume の代わりに Exit Sub
Exit Sub
End Sub
解説:
Resume
でエラー行から再開すると、再びエラーが発生する可能性があるため、Exit Sub
を使って処理を終了するのも一つの方法。
Resume の注意事項
- Resume の使い方を間違えると無限ループになる: エラーが発生した行から再開すると、再びエラーが発生する可能性がある。
- Resume Next はエラーを無視する: 必要なエラー処理を行わないと、問題が発生しても気づかない可能性がある。
- Resume ラベル を使うと柔軟なエラーハンドリングが可能: エラー発生後に適切な処理を続行できる。
よくある質問
- Q: Resume を使うとエラーが再発するのはなぜですか?
- A: Resume はエラーが発生した行から処理を再開するため、同じエラーが再び発生する可能性があります。
- Q: Resume Next を使うと問題は発生しませんか?
- A: Resume Next はエラーを無視するため、意図しないバグを見逃す可能性があります。適切にエラーチェックを行う必要があります。
- Q: Resume を標準モジュール以外でも使えますか?
- A: はい。クラスモジュールやワークシートモジュールでも使用できます。
- Q: Resume の代わりに Exit Sub を使うのは適切ですか?
- A: はい。エラーが再発する可能性がある場合は、処理を中断するために Exit Sub を使うのが適切です。
まとめ
- Resume はエラー処理後にプログラムの実行を制御するために使用される。
Resume
はエラーが発生した行から再開するため、無限ループに注意が必要。Resume Next
を使うとエラーを無視して処理を続行できるが、慎重に使用する必要がある。Resume [ラベル]
を指定すると、エラー処理後に特定の場所から再開できる。- 適切なエラーハンドリングを行い、意図しないエラーの再発を防ぐことが重要。