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数値やエラーを除外して文字列のみを抽出するには?
Excelでは、数値やエラーを含むデータから文字列のみを抽出したい場合があります。たとえば、セルに数値やエラー(#DIV/0! など)が混在している場合、それらを除外してテキストデータだけを取得する方法が必要です。
このような場合、T
関数とIFERROR
関数を組み合わせることで、エラーを無視しながら数値を除外し、文字列のみを取得できます。
T関数とは?
T
関数は、指定したセルの値がテキストの場合はそのまま返し、それ以外(数値、空白)の場合は空白を返す関数です。
基本構文
=T(値)
ただし、計算によるエラー(#DIV/0! など)はそのまま表示されてしまいます。
IFERROR関数と組み合わせる方法
IFERROR
関数を使うことで、エラーを自動的に空白や特定の値に置き換えることができます。
基本構文
=IFERROR(T(値), "")
この式を使うことで、T関数が処理できないエラーも除外できます。
文字列のみを抽出する方法
たとえば、以下のようにデータが混在している場合を考えます。
元のデータ
A | B | |
---|---|---|
1 | アップル | =IFERROR(T(A1), “”) |
2 | 123 | =IFERROR(T(A2), “”) |
3 | オレンジ | =IFERROR(T(A3), “”) |
4 | =1/0 | =IFERROR(T(A4), “”) |
5 | バナナ | =IFERROR(T(A5), “”) |
数式の解説
=T(A1)
→ A1が文字列なので「アップル」を返す=T(A2)
→ A2が数値なので空白を返す=T(A3)
→ A3が文字列なので「オレンジ」を返す=T(A4)
→ A4がエラーなのでエラーがそのまま表示される=IFERROR(T(A4), "")
→ A4がエラーの場合、空白に置き換える
計算結果の例
A | B | |
---|---|---|
1 | アップル | アップル |
2 | 123 | |
3 | オレンジ | オレンジ |
4 | #DIV/0! | |
5 | バナナ | バナナ |
IF関数を使って空白を「-」に置き換える方法
もし、空白ではなく「-」を表示したい場合は、IF
関数と組み合わせることができます。
数式
=IF(IFERROR(T(A1), "")="", "-", T(A1))
Excelでの計算例
A | B | |
---|---|---|
1 | アップル | =IF(IFERROR(T(A1), “”)=””, “-“, T(A1)) |
2 | 123 | =IF(IFERROR(T(A2), “”)=””, “-“, T(A2)) |
3 | オレンジ | =IF(IFERROR(T(A3), “”)=””, “-“, T(A3)) |
4 | =1/0 | =IF(IFERROR(T(A4), “”)=””, “-“, T(A4)) |
5 | バナナ | =IF(IFERROR(T(A5), “”)=””, “-“, T(A5)) |
計算結果の例
A | B | |
---|---|---|
1 | アップル | アップル |
2 | 123 | – |
3 | オレンジ | オレンジ |
4 | #DIV/0! | – |
5 | バナナ | バナナ |
まとめ
Excelで数値やエラーを除外して文字列のみを抽出するには、T
関数とIFERROR
関数を組み合わせるのが便利です。
- 文字列のみを表示する:
=IFERROR(T(A1), "")
- 空白を「-」に置き換える:
=IF(IFERROR(T(A1), "")="", "-", T(A1))
この方法を活用すれば、不要なデータを除外し、効率的にデータを整理できます。
使用した関数について

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