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金融や統計モデルでルート計算を行うには?
金融や統計の分野では、リスク評価や確率分布の計算において平方根(ルート)を活用することがよくあります。例えば、ボラティリティ(価格変動リスク)や標準偏差を求める際に、ExcelのSQRT
関数を利用すると、効率的に計算が行えます。
本記事では、ExcelのSQRT
関数を活用した金融や統計モデルにおけるリスク管理の手法について詳しく解説します。
SQRT関数とは?
SQRT
関数は、平方根を求める関数であり、統計計算や金融リスクの算出において重要な役割を果たします。
基本構文
=SQRT(数値)
この関数を使うことで、ボラティリティの計算や、統計モデルにおける分散の評価が可能になります。
ボラティリティ(価格変動リスク)の計算
金融市場では、ボラティリティ(価格変動の大きさ)をリスクの指標として用います。日次リターンの標準偏差を計算し、それを年率換算する際に平方根を使用します。
年率ボラティリティの公式
年率ボラティリティ = 日次標準偏差 × √(取引日数)
Excelでの計算例
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 日次リターン (%) | 標準偏差 (%) | 年率ボラティリティ (%) |
2 | 0.85 | =STDEV(A2:A21) | =B2*SQRT(252) |
~ | 省略 | ||
21 |
※252は日本における1年間の土日祝日を除いた営業日数です。
計算結果
- 日次リターンの標準偏差:1.20%
- 年率ボラティリティ:19.05%
標準誤差の計算
統計分析では、平均値のばらつきを示す指標として標準誤差が用いられます。標準誤差(SE)は以下の式で求められます。
標準誤差 (SE) = 標準偏差 (σ) ÷ √(n)
Excelでの計算例
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 標準偏差 (σ) | サンプル数 (n) | 標準誤差 (SE) |
2 | 15 | 100 | =A2/SQRT(B2) |
計算結果
- 標準偏差:15
- サンプル数:100
- 標準誤差:1.50
リスク管理で使用されるVaR(Value at Risk)の計算
VaR(リスク想定損失額)は、一定の信頼水準で予測される最大損失額を示します。一般的に以下の式で求められます。
VaR = 平均リターン - (信頼係数 × 標準偏差 × √(保有日数))
Excelでの計算例
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 平均リターン (%) | 標準偏差 (%) | 信頼係数 | VaR (%) |
2 | 0.5 | 1.2 | 1.65 | =A2-(B2*C2*SQRT(10)) |
計算結果
- 平均リターン:0.5%
- 標準偏差:1.2%
- 信頼係数(90%):1.65
- 10日間のVaR:-4.67%
まとめ
ExcelのSQRT
関数を活用することで、金融や統計モデルにおけるリスク評価を効率的に行うことができます。ボラティリティ、標準誤差、VaRなど、重要なリスク管理の指標を簡単に計算できるため、投資分析や統計解析に役立ちます。
使用した関数について

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