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速度や加速度の計算で平方根を利用するには?
物理学では、速度や加速度の計算で平方根を利用することが多くあります。例えば、物体の落下速度、エネルギー保存則、2次元運動の速度ベクトルなどの計算でSQRT
関数を使うと、Excelで簡単に物理シミュレーションが可能になります。
本記事では、ExcelのSQRT
関数を活用して、速度や加速度を計算する方法について詳しく解説します。
SQRT関数とは?
SQRT
関数は、平方根を求める関数で、物理計算で頻繁に使用されます。
基本構文
=SQRT(数値)
この関数を使うことで、運動方程式や速度の計算に活用できます。
Excelで自由落下の速度を計算する
物体が重力加速度g
のもとで自由落下する場合、時刻t
秒後の速度v
は以下の式で求められます。
v = √(2gh)
ここで、
- v:速度 (m/s)
- g:重力加速度 (9.81 m/s²)
- h:落下距離 (m)
Excelでの計算例
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | 高さ h (m) | 重力加速度 g (m/s²) | 速度 v (m/s) |
2 | 10 | 9.81 | =SQRT(2*B2*A2) |
3 | 20 | 9.81 | =SQRT(2*B3*A3) |
計算結果
- 高さ 10m の場合:14.00 m/s
- 高さ 20m の場合:19.81 m/s
等加速度運動の最終速度をExcelで計算する
等加速度運動において、初速度v₀
、加速度a
、移動距離s
を用いた最終速度v
は、次の式で求められます。
v = √(v₀² + 2as)
Excelでの計算例
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 初速度 v₀ (m/s) | 加速度 a (m/s²) | 移動距離 s (m) | 最終速度 v (m/s) |
2 | 0 | 2 | 10 | =SQRT(A2^2 + 2*B2*C2) |
3 | 5 | 3 | 20 | =SQRT(A3^2 + 2*B3*C3) |
計算結果
- 初速度 0m/s、加速度 2m/s²、移動距離 10m の場合:6.324 m/s
- 初速度 5m/s、加速度 3m/s²、移動距離 20m の場合:12.04 m/s
2次元運動の速度をExcelで計算する
物体がx軸方向とy軸方向に速度成分を持つ場合、合成速度v
は以下の式で求められます。
v = √(vx² + vy²)
Excelでの計算例
A | B | C | |
---|---|---|---|
1 | Vx (m/s) | Vy (m/s) | 合成速度 V (m/s) |
2 | 3 | 4 | =SQRT(A2^2 + B2^2) |
3 | 6 | 8 | =SQRT(A3^2 + B3^2) |
計算結果
- Vx = 3 m/s、Vy = 4 m/s の場合:5 m/s
- Vx = 6 m/s、Vy = 8 m/s の場合:10 m/s
まとめ
ExcelのSQRT
関数を活用することで、速度や加速度の計算が簡単に行えます。自由落下、等加速度運動、2次元運動など、物理学の様々な場面で応用できるため、Excelを使ったシミュレーションに役立ちます。
使用した関数について

SQRT関数で平方根を求める方法と3乗根や標準偏差を求める方法をわかりやすく解説
SQRT関数についてSQRTの概要平方根を計算Excel関数/数学=SQRT( 数値 )概要 指定した数値の平方根を計算します。 数値が負の場合はエラー(#NUM!)を返します。 平方根とは、数値を2乗すると元の値になる数です。 Excel 2003以降で使用可能です。 三乗根、四乗根はPOWER関数を用います。SQR...