Excel関数「ABS」と「SIGN」の違いについて
Excelには、数値の特性を扱うためのさまざまな関数が用意されています。ABS関数とSIGN関数もその一部で、どちらも数値に関わる処理を行いますが、目的が異なります。このページでは、これらの関数の違いや使用例、使い分けについて詳細に解説します。
ABS関数とは
ABS関数は、指定した数値の絶対値を返す関数です。絶対値とは、数値の符号(プラスまたはマイナス)を無視したものです。
ABS関数の使用例
以下のExcelシートでは、セル「B2」に「-10」を入力し、セル「C2」に「=ABS(B2)」を入力した場合、結果として絶対値の「10」が得られます。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 例 | 数値 | ABS関数 | |
2 | -10 | =ABS(B2) ※結果は10 |
SIGN関数とは
SIGN関数は、指定した数値の符号を返す関数です。数値が正の値であれば「1」、負の値であれば「-1」、ゼロであれば「0」を返します。
SIGN関数の使用例
次のExcelシートでは、セル「B3」に「-10」を入力し、セル「C3」に「=SIGN(B3)」と入力すると、結果として符号の「-1」が得られます。
A | B | C | D | |
---|---|---|---|---|
1 | 例 | 数値 | SIGN関数 | |
3 | -10 | =SIGN(B3) ※結果は-1 |
ABS関数とSIGN関数の違い
以下の比較表に、ABS関数とSIGN関数の違いをまとめました。
項目 | ABS関数 | SIGN関数 |
---|---|---|
機能 | 絶対値を返す | 符号を返す |
入力例 | =ABS(-10) ※結果は10 |
=SIGN(-10) ※結果は-1 |
使用場面 | 数値の正負に関わらず、全体の量を知りたい場合 | 数値が正・負・ゼロかを判別したい場合 |
ABS関数とSIGN関数の使い分け
以下のようなケースで、それぞれの関数を使うと効果的です。
- ABS関数:売上データなどで、収益や損失に関わらず合計額や全体の量を計算したい場合に使用します。
- SIGN関数:データがプラス(収益)かマイナス(損失)かを判断し、それに基づいて処理を分けたい場合に使用します。
まとめ
ABS関数は数値の絶対値を返し、全体の量や合計を求める際に便利です。一方、SIGN関数は数値の符号を判定し、データがプラス、マイナス、またはゼロかを判断するのに適しています。用途に応じて使い分けることで、データ処理がより効率的になります。