減価償却を計算したい | 基本的な計算や集計 | EXCEL逆引きリファレンス

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減価償却を計算したい

この記事では、Excelで「減価償却を計算したい」という要件を満たす方法を解説します。減価償却は、固定資産の取得費用を法定耐用年数にわたって費用化する方法で、企業の会計処理において重要な要素です。

SLN関数を使用して定額法による減価償却を計算する方法(最も推奨される方法)

EXCELの例

A B C D
1 資産名 取得価格 耐用年数 年間償却費
2 機械A 1,000,000 10 =SLN(B2, 0, C2)
3 機械B 500,000 5 =SLN(B3, 0, C3)
4 建物 5,000,000 20 =SLN(B4, 0, C4)

SLN関数は定額法による減価償却を計算するための関数です。定額法は、毎年同じ額を償却していく方法です。上記の表では、資産の取得価格(B列)と耐用年数(C列)を使用して、年間の償却費(D列)を計算しています。

結果として、機械Aは100,000円、機械Bは100,000円、建物は250,000円の年間償却費が計算されます。

手順

  1. 減価償却費を計算したいセル(例: D2)を選択します。
  2. =SLN(取得価格, 残存価額, 耐用年数)と入力し、取得価格と耐用年数を指定します(例: =SLN(B2, 0, C2))。
  3. Enterキーを押して、年間償却費が表示されることを確認します。

注意点

  • SLN関数は、取得価格と耐用年数をもとに定額法で計算されます。
  • 残存価額(資産の使用終了時の価値)は日本の会計基準において通常0を使用します。

DDB関数を使用して定率法による減価償却を計算する方法

EXCELの例

A B C D E
1 資産名 取得価格 耐用年数 償却費
2 車両A 800,000 5 1 =DDB(B2, 0, C2, D2)
3 車両B 600,000 4 2 =DDB(B3, 0, C3, D3)

DDB関数は定率法による減価償却を計算するための関数です。定率法は初期に大きな償却費を計上し、後半に少なくなる償却を行う方法です。上記の表では、資産の取得価格(B列)と耐用年数(C列)、期(D列)を指定し、定率法で償却費を計算しています。

例えば、車両Aの1期目の償却費は320,000円、車両Bの2期目の償却費は180,000円です。

手順

  1. 定率法で償却費を計算したいセル(例: E2)を選択します。
  2. =DDB(取得価格, 残存価額, 耐用年数, 期)と入力し、取得価格、耐用年数、および期を指定します(例: =DDB(B2, 0, C2, D2))。
  3. Enterキーを押して、期ごとの償却費が表示されることを確認します。

注意点

  • DDB関数は期ごとの償却費を計算します。
  • 耐用年数の間、期ごとに償却費が変動するため、複数年の償却計算が必要です。

VDB関数を使用して変動定率法による減価償却を計算する方法

EXCELの例

A B C D E
1 資産名 取得価格 耐用年数 開始期 終了期
2 設備A 1,200,000 8 1 5
3 合計償却費 =VDB(B2, 0, C2, D2, E2)

VDB関数は、定率法と定額法の変動比率で減価償却を計算するための関数です。開始期から終了期までの償却費を計算し、複数期間にわたって減価償却を行うことが可能です。

たとえば、設備Aは1期から5期までの償却費が計算されます。

手順

  1. VDB関数を使用して償却費を計算したいセル(例: E4)を選択します。
  2. =VDB(取得価格, 残存価額, 耐用年数, 開始期, 終了期)と入力し、開始期と終了期を指定します(例: =VDB(B2, 0, C2, D2, E2))。
  3. Enterキーを押して、複数期にわたる償却費が表示されることを確認します。

注意点

  • VDB関数は、開始期から終了期までの期間を指定して減価償却を計算します。
  • 定額法や定率法と異なり、変動比率で償却が行われるため、年ごとの変動が大きい場合に適しています。

まとめ

  • 定額法で減価償却を行いたい場合は、SLN関数が最も推奨されます。
  • 初期に大きな償却費を計上したい場合には、DDB関数を使用した定率法が適しています。
  • 複数年にわたって変動比率で償却を行う場合には、VDB関数が便利です。