シェイクスピアと言葉
ウィリアム・シェイクスピアは、言葉を巧みに操ることで、文学史上において特別な地位を築いた。彼の作品における「言葉」は、単なる会話や物語の進行の手段を超え、登場人物の心理や物語の本質を伝える重要な役割を果たしている。シェイクスピアは言葉を用いて、感情や思考を象徴的に表現し、読者や観客に深い洞察を与え、また、彼の言葉には多義性があり、一つのフレーズが文脈に応じてさまざまな意味を持つ。この多層的な構造により、彼の作品は時代や文化を超えて解釈され続けている。シェイクスピアは詩的表現と劇的表現を組み合わせることで、登場人物の内面的な葛藤や状況を深く掘り下げ、言葉の力を最大限に活用している。さらに、シェイクスピアの言葉は単なる芸術的表現にとどまらず、人間や社会に対する哲学的洞察を含んでいるため、人生や存在に関する普遍的なテーマを追求するものとしても重要である。このように、彼の言葉は時代を超え、現代においても引用され続け、多くの分野で重要な役割を果たしている。
シェイクスピア名言集
- “To be, or not to be: that is the question.”
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。」
『ハムレット』第3幕第1場
ハムレットが人生と死について内省し、苦悩する場面。 - “All the world’s a stage, and all the men and women merely players.”
「この世は舞台、人はみなただの役者にすぎない。」
『お気に召すまま』第2幕第7場
ジャックが人生を舞台に例える哲学的な言葉。 - “The course of true love never did run smooth.”
「真の愛の道は常に平坦ではない。」
『夏の夜の夢』第1幕第1場
恋愛の難しさを象徴する言葉。 - “Some are born great, some achieve greatness, and some have greatness thrust upon them.”
「偉大に生まれる者もいれば、偉大さを成し遂げる者もあり、また偉大さを押し付けられる者もいる。」
『十二夜』第2幕第5場
マルヴォリオが受け取る手紙の中の皮肉。 - “Cowards die many times before their deaths; the valiant never taste of death but once.”
「臆病者は死ぬ前に何度も死ぬが、勇者は一度しか死を味わわない。」
『ジュリアス・シーザー』第2幕第2場
シーザーが死に対して冷静に考える場面。 - “What’s in a name? That which we call a rose by any other name would smell as sweet.”
「名前に何の意味がある? バラと呼ぼうと呼ぶまいと、その香りは変わらない。」
『ロミオとジュリエット』第2幕第2場
ジュリエットがロミオの名に対する葛藤を表す。 - “If music be the food of love, play on.”
「もし音楽が愛の糧であるなら、演奏を続けてくれ。」
『十二夜』第1幕第1場
愛に酔いしれたオーシーノの台詞。 - “Brevity is the soul of wit.”
「簡潔こそ機知の真髄だ。」
『ハムレット』第2幕第2場
ポローニアスが冗長な話をしながら皮肉を言う場面。 - “Out, out, brief candle! Life’s but a walking shadow, a poor player that struts and frets his hour upon the stage and then is heard no more.”
「消えろ、消えろ、短いろうそくの光よ! 人生は歩く影、下手な役者だ。」
『マクベス』第5幕第5場
妻の死を受けたマクベスが人生の儚さを嘆く。 - “The lady doth protest too much, methinks.”
「彼女はあまりに強く抗議しすぎる、と思う。」
『ハムレット』第3幕第2場
ハムレットが母の行動を見て皮肉を言う場面。 - “Now is the winter of our discontent made glorious summer by this sun of York.”
「今、我々の不満の冬は、このヨークの太陽によって栄光の夏へと変わる。」
『リチャード三世』第1幕第1場
リチャードが政治的に有利な状況を称える。 - “A horse! A horse! My kingdom for a horse!”
「馬をくれ! 馬を! この王国と引き換えにしてもかまわない!」
『リチャード三世』第5幕第4場
リチャードが戦場で追い詰められた場面。 - “Friends, Romans, countrymen, lend me your ears; I come to bury Caesar, not to praise him.”
「友よ、ローマの人々よ、耳を貸してくれ。私はシーザーを讃えるためではなく、葬るために来た。」
『ジュリアス・シーザー』第3幕第2場
マーク・アントニーが群衆に語りかける葬儀のシーン。 - “Parting is such sweet sorrow, that I shall say good night till it be morrow.”
「別れは甘くもあり悲しくもある。だから私は、夜が明けるまでおやすみと言い続けよう。」
『ロミオとジュリエット』第2幕第2場
ジュリエットがロミオとの別れを惜しむ場面。 - “Love looks not with the eyes, but with the mind, and therefore is winged Cupid painted blind.”
「愛は目で見るものではなく、心で見るものだから、キューピッドは盲目に描かれるのだ。」
『夏の夜の夢』第1幕第1場
ヘレナが自らの恋愛を嘆く場面。 - “All that glisters is not gold.”
「輝くものすべてが金とは限らない。」
『ヴェニスの商人』第2幕第7場
宝箱の選択を巡るシーンで使われる格言。 - “Fair is foul, and foul is fair.”
「美しいものは醜く、醜いものは美しい。」
『マクベス』第1幕第1場
魔女たちが物語の混乱を予感させる。 - “I am one who loved not wisely but too well.”
「私は賢く愛したのではなく、ただ激しく愛しすぎた者だ。」
『オセロ』第5幕第2場
オセロが自分の過ちを認める場面。 - “We are such stuff as dreams are made on, and our little life is rounded with a sleep.”
「我々は夢でできたものにすぎず、短い人生は眠りで終わる。」
『テンペスト』第4幕第1場
プロスペローが人生の儚さを語る場面。 - “Et tu, Brute? Then fall, Caesar!”
「お前もか、ブルータス? ではシーザーは倒れるしかない。」
『ジュリアス・シーザー』第3幕第1場
裏切りに直面したシーザーの最期の言葉。 - “This above all: to thine own self be true.”
「何よりもまず、自分自身に忠実であれ。」
『ハムレット』第1幕第3場
ポローニアスが息子レアティーズに与えるアドバイス。 - “Be not afraid of greatness: some are born great, some achieve greatness, and some have greatness thrust upon them.”
「偉大さを恐れるな。偉大に生まれる者もいれば、偉大さを成し遂げる者もあり、また偉大さを押し付けられる者もいる。」
『十二夜』第2幕第5場
マルヴォリオが読む手紙の中の言葉。 - “Misery acquaints a man with strange bedfellows.”
「不幸は人に奇妙な仲間をもたらす。」
『テンペスト』第2幕第2場
嵐に巻き込まれたトリンキューロがカリバンと一緒になる場面。 - “Love is blind, and lovers cannot see the pretty follies that themselves commit.”
「愛は盲目であり、恋人たちは自分の犯す愚かさを見ることができない。」
『ヴェニスの商人』第2幕第6場
ジェシカが自分の恋愛を振り返る場面。 - “The evil that men do lives after them; the good is oft interred with their bones.”
「人々の行いの悪は死後も残るが、善はその骨と共に葬られる。」
『ジュリアス・シーザー』第3幕第2場
マーク・アントニーがシーザーの死後、群衆を扇動する。 - “Lord, what fools these mortals be!”
「なんて愚か者たちなんだ、これらの人間は!」
『夏の夜の夢』第3幕第2場
妖精パックが恋愛騒動を見て嘆く。 - “Good night, good night! Parting is such sweet sorrow, that I shall say good night till it be morrow.”
「おやすみ、おやすみ! 別れは甘くも悲しい。」
『ロミオとジュリエット』第2幕第2場
ジュリエットがロミオとの別れを惜しむ場面。 - “I must be cruel only to be kind.”
「私は優しくあるために、残酷でなければならない。」
『ハムレット』第3幕第4場
ハムレットが母に対する行動を正当化する場面。 - “The better part of valour is discretion.”
「勇気の本質は、慎重さにある。」
『ヘンリー四世 第1部』第5幕第4場
ファルスタッフが戦場での行動を正当化する場面。 - “How sharper than a serpent’s tooth it is to have a thankless child!”
「恩知らずの子供を持つことは、蛇の牙よりも痛ましい。」
『リア王』第1幕第4場
リア王が裏切りに遭い、深い悲しみを表す場面。 - “Men at some time are masters of their fates: the fault, dear Brutus, is not in our stars, but in ourselves, that we are underlings.”
「運命を握るのは我々だ。ブルータスよ、我々が下僕なのは、運命のせいではなく、自分たちのせいだ。」
『ジュリアス・シーザー』第1幕第2場
カッシウスが運命の力を否定する。 - “There is nothing either good or bad, but thinking makes it so.”
「良いも悪いもない。物事はすべて考え方次第だ。」
『ハムレット』第2幕第2場
ハムレットが価値観や道徳について語る場面。 - “Hell is empty and all the devils are here.”
「地獄は空っぽだ。悪魔たちはここにいる。」
『テンペスト』第1幕第2場
アリエルが嵐の中で不気味な光景を見て語る場面。 - “The wheel is come full circle: I am here.”
「運命の輪は巡り、私はここにいる。」
『キング・リア』第5幕第3場
エドガーが運命の巡り合わせを語る場面。 - “Uneasy lies the head that wears a crown.”
「冠を戴く頭は安らかではない。」
『ヘンリー四世 第2部』第3幕第1場
王の責任と重圧を嘆く場面。 - “We know what we are, but know not what we may be.”
「私たちは自分が何者かを知っているが、何者になるかは知らない。」
『ハムレット』第4幕第5場
オフィーリアが運命の不確定性について語る場面。 - “Things won are done, joy’s soul lies in the doing.”
「勝ち取った瞬間に終わりが来る。喜びの真髄は行動の中にある。」
『トロイラスとクレシダ』第1幕第2場
クレシダが目標達成後の虚しさを嘆く。 - “Love all, trust a few, do wrong to none.”
「全ての人を愛し、少数を信じ、誰にも悪事を働かない。」
『終わりよければ全てよし』第1幕第1場
エルナンドが道徳的な生き方を説く場面。 - “I like this place and willingly could waste my time in it.”
「この場所が気に入った。ここで無為に時を過ごしたい。」
『お気に召すまま』第2幕第4場
アルデンの森での生活に安らぎを見出すシーン。 - “The robbed that smiles, steals something from the thief.”
「奪われた者が笑うことで、盗人から何かを奪い返すことができる。」
『オセロ』第1幕第3場
人生の逆境に直面した際の心の在り方を表す。 - “In time we hate that which we often fear.”
「時が経つと、我々は恐れていたものを憎むようになる。」
『アントニーとクレオパトラ』第1幕第3場
クレオパトラが恐怖と憎しみの関係について語る。 - “The golden age is before us, not behind us.”
「黄金時代は我々の前にあり、後ろにはない。」
『テンペスト』第5幕第1場
プロスペローが未来に希望を抱く場面。 - “Strong reasons make strong actions.”
「強い理由は、強い行動を生む。」
『ジュリアス・シーザー』第2幕第1場
ブルータスが行動を正当化する場面。 - “How far that little candle throws his beams! So shines a good deed in a naughty world.”
「小さなろうそくが放つ光はどこまで届くことか。悪しき世において善行は光り輝く。」
『ヴェニスの商人』第5幕第1場
善行の力を讃えるシーン。 - “The empty vessel makes the loudest sound.”
「空っぽの器ほど大きな音を立てる。」
『ヘンリー五世』第4幕第1場
愚か者が自己誇示する様を風刺した一言。 - “My tongue will tell the anger of my heart, or else my heart concealing it will break.”
「私の舌は心の怒りを語るだろう、そうでなければ心は怒りに押し潰される。」
『じゃじゃ馬ならし』第4幕第3場
ケイトが感情を表に出すことの重要性を述べる。 - “A man can die but once.”
「人は一度しか死ねない。」
『ヘンリー四世 第2部』第3幕第2場
死に対する冷静な受け入れ。 - “The devil can cite Scripture for his purpose.”
「悪魔は自分の目的のために聖書を引用することができる。」
『ヴェニスの商人』第1幕第3場
シャイロックが宗教的偽善を批判する場面。 - “We are time’s subjects, and time bids be gone.”
「我々は時の奴隷であり、時は去るように命じる。」
『ヘンリー四世 第2部』第5幕第5場
老化と人生の儚さに対する言葉。 - “Men’s evil manners live in brass; their virtues we write in water.”
「人々の悪行は銅に刻まれ、善行は水に書かれる。」
『ヘンリー八世』第4幕第2場
悪事が長く記憶され、善行が忘れられる様を表現。 - “The fault… is not in our stars, but in ourselves.”
「運命の星に原因があるのではなく、我々自身に原因がある。」
『ジュリアス・シーザー』第1幕第2場
自己責任を強調する場面。 - “Small cheer and great welcome makes a merry feast.”
「少ない食事でも温かい歓迎があれば楽しい宴となる。」
『コリオレイナス』第4幕第5場
友情や心のこもったもてなしの重要性を語る。 - “Better a witty fool than a foolish wit.”
「愚かな知者よりも、機知に富んだ愚者の方がよい。」
『十二夜』第1幕第5場
道化師が機知と愚かさを対比する言葉。 - “A peace is of the nature of a conquest; for then both parties nobly are subdued, and neither party loser.”
「平和は勝利に似ている。両者が高貴に従い、どちらも敗者にはならない。」
『ヘンリー四世 第2部』第4幕第2場
平和の価値を強調する場面。 - “False face must hide what the false heart doth know.”
「偽りの顔で、偽りの心を隠さなければならない。」
『マクベス』第1幕第7場
マクベスが計画する裏切りと欺瞞について。 - “With mirth and laughter let old wrinkles come.”
「笑いと喜びを持って、老いの皺を迎えよう。」
『ヴェニスの商人』第1幕第1場
楽観的な人生観を表す言葉。 - “We cannot all be masters, nor all masters cannot be truly followed.”
「すべての者が主人にはなれず、またすべての主人が本当に従われるわけではない。」
『オセロ』第1幕第1場
権力と従属の関係についての皮肉。 - “Give me my robe, put on my crown; I have immortal longings in me.”
「私に衣を、冠をかぶせよ。不滅の欲望が私の中にある。」
『アントニーとクレオパトラ』第5幕第2場
クレオパトラが死を前にした言葉。 - “Better three hours too soon than a minute too late.”
「3時間早く着く方が、1分遅れるよりましだ。」
『ウィンザーの陽気な女房たち』第2幕第2場
時間管理の重要性を説く。 - “When sorrows come, they come not single spies, but in battalions.”
「悲しみがやって来るとき、それは単独ではなく、軍勢となって押し寄せる。」
『ハムレット』第4幕第5場
悲劇が連鎖する様子を表現した言葉。 - “All’s well that ends well.”
「終わりよければすべてよし。」
『終わりよければすべてよし』第4幕第4場
最終的な結果が良ければ、過程の困難も意味をなすという考え。 - “What’s done cannot be undone.”
「一度なされたことは、もう元には戻せない。」
『マクベス』第5幕第1場
レディ・マクベスが後悔を表す場面。 - “I am a man more sinned against than sinning.”
「私は罪を犯した者よりも、罪を受けた者だ。」
『リア王』第3幕第2場
リア王が、自らの不遇を嘆く場面。 - “To thine own self be true, and it must follow, as the night the day, thou canst not then be false to any man.”
「自分自身に忠実であれば、夜が来るのと同じように、他者に対しても偽りなく生きられる。」
『ハムレット』第1幕第3場
ポローニアスが息子レアティーズに与えるアドバイス。 - “A fool thinks himself to be wise, but a wise man knows himself to be a fool.”
「愚か者は自分を賢いと思い、賢者は自分を愚かだと知る。」
『お気に召すまま』第5幕第1場
知恵と愚かさの違いを描いた言葉。 - “The fault, dear Brutus, is not in our stars, but in ourselves.”
「ブルータスよ、我々が下僕であるのは、運命の星のせいではなく、我々自身のせいだ。」
『ジュリアス・シーザー』第1幕第2場
自分の行動に対する責任を強調した言葉。 - “For there is nothing either good or bad, but thinking makes it so.”
「良いも悪いもない。物事はすべて考え方次第だ。」
『ハムレット』第2幕第2場
ハムレットが価値観について哲学的に語る場面。 - “No legacy is so rich as honesty.”
「誠実さほど豊かな遺産はない。」
『終わりよければすべてよし』第3幕第5場
誠実さの重要性を強調する一言。 - “The lunatic, the lover, and the poet, are of imagination all compact.”
「狂人、恋人、詩人は、すべて想像力の賜物だ。」
『夏の夜の夢』第5幕第1場
人間の情熱と想像力を描写した言葉。 - “Reputation is an idle and most false imposition; oft got without merit, and lost without deserving.”
「評判は空虚で虚偽の押しつけであり、多くは価値なく得られ、何も悪いことをせずに失われることもある。」
『オセロ』第2幕第3場
評判の不確かさを示す一言。 - “O brave new world that has such people in’t!”
「なんてすばらしい新しい世界だ! そこにはこんな人々がいるのか!」
『テンペスト』第5幕第1場
ミランダが新たに出会う世界に驚嘆する場面。 - “Look like the innocent flower, but be the serpent under’t.”
「無邪気な花のように見せかけ、だがその下には蛇を潜ませよ。」
『マクベス』第1幕第5場
レディ・マクベスが夫に偽善的な行動を求める場面。 - “The quality of mercy is not strained; it droppeth as the gentle rain from heaven.”
「慈悲の質は強制されるものではない。それは天から降る優しい雨のように自然に滴り落ちる。」
『ヴェニスの商人』第4幕第1場
ポーシャが慈悲の価値を説く場面。 - “Love is not love which alters when it alteration finds.”
「愛は、変化を見つけたときに変わるものではない。」
ソネット第116番
真実の愛の変わらなさについて歌う詩。 - “Some rise by sin, and some by virtue fall.”
「罪によって昇る者もいれば、美徳によって堕ちる者もいる。」
『尺には尺を』第2幕第1場
エスカラスが、運命と道徳の逆説を述べる場面。 - “There are more things in heaven and earth, Horatio, than are dreamt of in your philosophy.”
「ホレイショー、天と地には、お前の哲学では夢にも見ないことがたくさんあるのだ。」
『ハムレット』第1幕第5場
ハムレットが未知の世界について語る場面。 - “Our doubts are traitors, and make us lose the good we oft might win by fearing to attempt.”
「疑念は裏切り者であり、我々が勝ち取るはずだった善を、挑戦を恐れることで失わせる。」
『尺には尺を』第1幕第4場
恐れによる損失について語る。 - “It is not in the stars to hold our destiny but in ourselves.”
「我々の運命を握っているのは星ではなく、我々自身だ。」
『ジュリアス・シーザー』第1幕第2場
自己決定の重要性を説く。 - “All things are ready, if our minds be so.”
「心さえ準備ができていれば、すべてが準備万端だ。」
『ヘンリー五世』第4幕第3場
心の準備がすべての成功の鍵であることを語る。 - “I would give all my fame for a pot of ale and safety.”
「私はすべての名声を、ビール一杯と安全のために捨ててもよい。」
『ヘンリー五世』第3幕第2場
戦場での実利を語る言葉。 - “To mourn a mischief that is past and gone is the next way to draw new mischief on.”
「過ぎ去った災いを嘆くことは、新たな災いを招く最善の方法だ。」
『オセロ』第1幕第3場
過去の問題を引きずる危険性を警告する。 - “True is it that we have seen better days.”
「我々は確かに、かつてはもっと良い時代を見てきた。」
『お気に召すまま』第2幕第7場
時代の変化に対する嘆き。 - “For sweetest things turn sourest by their deeds; lilies that fester smell far worse than weeds.”
「最も甘美なものも行いによって最も酸っぱくなる。腐ったユリは雑草よりも悪臭を放つ。」
ソネット第94番
美しいものが堕落したときの恐ろしさを表現。 - “How poor are they that have not patience! What wound did ever heal but by degrees?”
「忍耐のない者はどれほど貧しいことか! 傷が徐々に癒される以外の方法はない。」
『オセロ』第2幕第3場
忍耐の重要性について語る場面。 - “Words without thoughts never to heaven go.”
「思いのこもらない言葉は、決して天に届かない。」
『ハムレット』第3幕第3場
罪の意識と偽りの祈りについて語る場面。 - “A friend should bear his friend’s infirmities, but Brutus makes mine greater than they are.”
「友は友の欠点を受け入れるべきだが、ブルータスは私の欠点をより大きくする。」
『ジュリアス・シーザー』第4幕第3場
友情と裏切りの葛藤を表す言葉。 - “Things without all remedy should be without regard: what’s done is done.”
「すでに救いようがないことは、気にかけるべきではない。なされたことは、もう元には戻らない。」
『マクベス』第3幕第2場
レディ・マクベスが後悔を捨てるように促す場面。 - “Suspicion always haunts the guilty mind.”
「疑念は常に罪のある心をつきまとう。」
『ヘンリー六世 第3部』第5幕第6場
有罪者が常に自分の罪に怯えている様を示す。 - “One touch of nature makes the whole world kin.”
「自然のひとつの力が、全世界を親族にする。」
『トロイラスとクレシダ』第3幕第3場
人間性の共通性を描写した言葉。 - “He jests at scars that never felt a wound.”
「傷を負ったことのない者は、傷跡をからかう。」
『ロミオとジュリエット』第2幕第2場
ロミオが自分を嘲笑する者に向けた言葉。 - “And oftentimes excusing of a fault doth make the fault the worse by the excuse.”
「しばしば過ちを弁明することで、その弁明が過ちをより悪化させる。」
『キング・ジョン』第4幕第2場
言い訳が事態を悪化させることを警告する。 - “The miserable have no other medicine but only hope.”
「不幸な者には、希望以外の薬はない。」
『尺には尺を』第3幕第1場
希望が絶望を乗り越える唯一の手段であることを示す。 - “It is a tale told by an idiot, full of sound and fury, signifying nothing.”
「それは愚か者が語る物語であり、音と怒りに満ちているが、何も意味していない。」
『マクベス』第5幕第5場
マクベスが人生の虚しさを嘆く場面。 - “A rose by any other name would smell as sweet.”
「バラは他の名前で呼んでも、その香りは変わらない。」
『ロミオとジュリエット』第2幕第2場
名前が本質を変えないことを示す名言。 - “By the pricking of my thumbs, something wicked this way comes.”
「親指がチクチクする、この方に邪悪なものが近づいてくる。」
『マクベス』第4幕第1場
魔女がマクベスの到来を予感する場面。 - “Let me be that I am and seek not to alter me.”
「私をありのままにしてくれ、変えようとするな。」
『空騒ぎ』第1幕第3場
自己のアイデンティティを守りたいという願いを表現。 - “Oft expectation fails, and most oft there where most it promises.”
「期待はしばしば裏切られ、最も約束された場所でそれが多い。」
『空騒ぎ』第4幕第1場
期待と失望の関係について語る。 - “Sweet are the uses of adversity.”
「逆境の利用は甘美である。」
『お気に召すまま』第2幕第1場
逆境からの学びを強調する言葉。 - “In delay there lies no plenty.”
「遅れの中には何の利益もない。」
『十二夜』第2幕第3場
行動の重要性を示す一言。 - “They do not love that do not show their love.”
「愛を示さない者は愛していない。」
『二人の貴公子』第1幕第2場
愛は行動によって表されるべきだという考え。 - “Virtue is bold, and goodness never fearful.”
「美徳は大胆であり、善良さは決して恐れを知らない。」
『尺には尺を』第3幕第1場
美徳と勇気を称賛する場面。 - “When we are born, we cry that we are come to this great stage of fools.”
「我々は生まれた時、この愚者たちの大舞台に来たことを嘆き泣く。」
『リア王』第4幕第6場
リア王が人生の愚かさを嘆く場面。 - “Fortune brings in some boats that are not steered.”
「運命は時に舵を取らない船をも運んでくる。」
『サイモンの災難』第4幕第3場
運命の気まぐれさを示す言葉。 - “Wisely and slow; they stumble that run fast.”
「賢く、ゆっくりと進め。急ぐ者はつまずく。」
『ロミオとジュリエット』第2幕第3場
フライア・ローレンスが若い恋人たちに与える警告。 - “Come what come may, time and the hour runs through the roughest day.”
「何が来ようと、時は進み、最も困難な日も過ぎ去る。」
『マクベス』第1幕第3場
困難な時も過ぎ去るという希望を示す。 - “There is no darkness but ignorance.”
「無知こそが唯一の闇である。」
『十二夜』第4幕第2場
知識と理解の重要性を説く場面。 - “Some Cupid kills with arrows, some with traps.”
「キューピッドは矢で人を殺すこともあれば、罠で殺すこともある。」
『空騒ぎ』第3幕第1場
恋愛における策略について語る場面。 - “I am not bound to please thee with my answers.”
「私にはお前を満足させるために答える義務はない。」
『ヴェニスの商人』第4幕第1場
シャイロックが相手に対して言い放つ厳しい言葉。 - “Men of few words are the best men.”
「口数の少ない者が最良の者である。」
『ヘンリー五世』第3幕第2場
少ない言葉で多くを語ることの美徳を表現。 - “Sweet mercy is nobility’s true badge.”
「優しい慈悲こそが、真の高貴の証だ。」
『タイタス・アンドロニカス』第1幕第2場
真の高貴さとは、慈悲深さにあることを示す。 - “Nature hath framed strange fellows in her time.”
「自然は時に奇妙な仲間たちを作り出すものだ。」
『ヴェニスの商人』第1幕第1場
自然界が生み出す様々な人間模様を語る。 - “I cannot tell what the dickens his name is.”
「彼の名前が何なのか、さっぱり分からない。」
『ウィンザーの陽気な女房たち』第3幕第2場
人の名前を思い出せないユーモラスな場面。 - “How well he’s read, to reason against reading!”
「彼は本を読むことに反対するほどに、よく本を読んでいる!」
『恋の骨折り損』第1幕第1場
矛盾する行動を揶揄する言葉。 - “But love is blind, and lovers cannot see the pretty follies that themselves commit.”
「しかし、愛は盲目であり、恋人たちは自分の愚かさを見ることができない。」
『ヴェニスの商人』第2幕第6場
恋愛における盲目的な行動を表す。 - “I’ll follow thee and make a heaven of hell, To die upon the hand I love so well.”
「あなたに従い、地獄を天国に変えよう。愛する者の手によって死ぬならば。」
『真夏の夜の夢』第2幕第1場
ヘレナがデメトリウスへの強い愛情を示す場面。 - “Let me embrace thee, sour adversity, for wise men say it is the wisest course.”
「逆境よ、私を受け入れさせてくれ。賢者はこれが最も賢明な道だと言う。」
『ヘンリー六世 第3部』第3幕第1場
逆境を受け入れることの重要性を語る。 - “There is no virtue like necessity.”
「必要ほどの美徳はない。」
『リチャード二世』第1幕第3場
必要性が最大の美徳であることを示す。 - “O, beware, my lord, of jealousy; It is the green-eyed monster which doth mock the meat it feeds on.”
「主よ、嫉妬にご注意を。それは食べ物を食べながら、それを嘲笑する緑の目をした怪物です。」
『オセロ』第3幕第3場
イアーゴーが嫉妬の危険性を語る。 - “Poor and content is rich, and rich enough.”
「貧しくとも満足しているなら、それは豊かであり、それで十分だ。」
『オセロ』第3幕第3場
本当の豊かさは内面的な満足にあることを示す。 - “When words are scarce, they are seldom spent in vain.”
「言葉が少ないとき、それは滅多に無駄遣いされない。」
『リチャード二世』第2幕第1場
言葉の節約とその重要性を強調する場面。 - “But men are men; the best sometimes forget.”
「しかし、人は人である。最善の者でも時には忘れることがある。」
『オセロ』第2幕第3場
人間の欠点と過ちについて語る場面。 - “I will wear my heart upon my sleeve for daws to peck at.”
「私は心を袖に掲げ、カラスに突かせるだろう。」
『オセロ』第1幕第1場
自分の感情を隠さずに表すことを示す場面。 - “I would not wish any companion in the world but you.”
「この世であなた以外の誰とも一緒にいたくない。」
『テンペスト』第3幕第1場
フェルディナンドがミランダへの深い愛情を告白する場面。 - “Self-love, my liege, is not so vile a sin as self-neglecting.”
「自己愛は、自らを顧みないことほど卑しい罪ではない。」
『ヘンリー五世』第2幕第4場
自己愛と自己管理についての哲学的な見解。 - “What’s past is prologue.”
「過去は前触れに過ぎない。」
『テンペスト』第2幕第1場
これまでの出来事は今後の物語の序章にすぎないと示す言葉。 - “Ambition should be made of sterner stuff.”
「野心は、より強固な素材で作られるべきだ。」
『ジュリアス・シーザー』第3幕第2場
マーク・アントニーがシーザーの死を悼む場面で、野心について語る。