八代古今後撰拾遺後拾遺金葉詞花千載新古今百人一首六歌仙三十六歌仙枕詞動詞光る君へ
「おきつもの」の歌
簡単な説明
- 「おきつもの」は「名張(なばり)、靡く(なびく)」などの枕詞。「沖つ藻の」と書く。
- 「沖つ藻」は沖に生えている藻で、波に隠れる様から隠れるを意味する「なばる」、「なびく」にかかる。
- 万葉集で用いられている。
解説
「おきつもの」(沖つ藻の)は、「靡く」「島」「潮」などにかかる枕詞です。「沖つ藻」は海藻を意味し、特に海の沖に漂う藻を指します。この枕詞は、海の情景や水面に浮かぶ海藻の様子を連想させ、和歌に海の広がりや水の動きを描写する効果があります。海の風景や潮の流れを背景に、自然の美しさや儚さを和歌に取り入れることができます。心の揺れや遠く離れた場所への想いを表現することもあります。
「おきつもの」の歌集ごとの数と割合
万葉 | 古今 | 後撰 | 拾遺 | 後拾 | 金葉 | 詞花 | 千載 | 新古 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
0.1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
百人一首
なし
万葉集
1巻-43 當麻真人麻呂妻我が背子はいづく行くらむ沖つ藻の名張の山を今日か越ゆらむ
2巻-207 柿本人麻呂天飛ぶや 軽の道は 我妹子が 里にしあれば ねもころに 見まく欲しけど やまず行かば 人目を多み 数多く行かば 人知りぬべみ さね葛 後も逢はむと 大船の 思ひ頼みて 玉かぎる 岩垣淵の 隠りのみ 恋ひつつあるに 渡る日の 暮れぬるがごと 照る月の 雲隠るごと 沖つ藻の 靡きし妹は 黄葉の 過ぎて去にきと 玉梓の 使の言へば 梓弓 音に聞きて (音のみ聞きて) 言はむすべ 為むすべ知らに 音のみを 聞きてありえねば 我が恋ふる 千重の一重も 慰もる 心もありやと 我妹子が やまず出で見し 軽の市に 我が立ち聞けば 玉たすき 畝傍の山に 鳴く鳥の 声も聞こえず 玉桙の 道行く人も ひとりだに 似てし行かねば すべをなみ 妹が名呼びて 袖ぞ振りつる (名のみを聞きてありえねば)
4巻-511 當麻麻呂妻我が背子はいづく行くらむ沖つ藻の名張の山を今日か越ゆらむ
7巻-1248 柿本人麻呂歌集我妹子と見つつ偲はむ沖つ藻の花咲きたらば我れに告げこそ
11巻-2782 さ寝がには誰れとも寝めど沖つ藻の靡きし君が言待つ我れを
古今和歌集
なし
後撰和歌集
なし
拾遺和歌集
なし
後拾遺和歌集
なし
金葉和歌集
なし
詞花和歌集
なし
千載和歌集
なし
新古今和歌集
なし