Johan Sebastian Bach (1685-1750)
バッハ名曲７４選
J.S.バッハの1000を超える作品の中でも特におすすめで有名な名曲を74曲紹介します。
管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV.1067
独奏フルートが中心となるこの組曲は、バッハの管弦楽作品の中でも特に華やかな一曲です。荘厳な序曲に続いて、優雅でリズミカルな舞曲が次々と展開されます。特に終曲の「バディネリ」は、軽快で技巧的なフルートソロが印象的で、多くの聴衆に親しまれています。
管弦楽組曲第3番 ニ長調 BWV.1068
華やかで壮大な序曲と活気あふれる舞曲が魅力のこの組曲は、バロック音楽の典型的な美しさを示しています。特に「エア」（通称「G線上のアリア」）は、静かで美しい旋律が多くの人々に愛され、クラシック音楽の中でも特に有名な楽章です。その他の舞曲も軽快で躍動感に富んだ仕上がりです。
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 BWV.1041
ヴァイオリン独奏とオーケストラが織りなすこの協奏曲は、活気と抒情性を兼ね備えた名作です。第1楽章は力強いリズムと流れるような旋律、第2楽章は静かで抒情的なヴァイオリンソロが印象的です。第3楽章では軽快な動きとエネルギーを感じさせるフィナーレが展開されます。
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV.1042
この協奏曲は、明るく華やかな雰囲気を持つバッハのヴァイオリン協奏曲の代表作です。第1楽章は軽快な旋律が特徴で、第2楽章では深い感情を湛えたヴァイオリンソロが静けさの中に響きます。第3楽章は技巧的で活発なフィナーレを迎えます。
2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV.1043
2つのヴァイオリンが織り成す掛け合いが美しいこの協奏曲は、バッハの最も有名な協奏曲の一つです。第1楽章は緊密な対話が際立ち、第2楽章では抒情的な旋律が二重奏で紡がれます。第3楽章はエネルギッシュな動きが全体をまとめ上げています。
チェンバロと弦楽のための協奏曲 ニ短調 BWV.1052
バッハのチェンバロ協奏曲の中で最も壮大で劇的な作品です。第1楽章は緊迫感のある旋律、第2楽章は静かな感情の深さを感じさせるアダージョ、第3楽章は力強く勢いのあるフィナーレで構成されています。
チェンバロと弦楽のための協奏曲 イ長調 BWV.1055
明るく軽快な雰囲気が特徴のこの協奏曲は、チェンバロの優雅な旋律と弦楽の調和が魅力的です。第1楽章は流れるような旋律、第2楽章は穏やかで深い感情、第3楽章は生き生きとしたリズムが特徴です。
チェンバロと弦楽のための協奏曲 ヘ短調 BWV.1056
短くも美しいこの協奏曲は、バッハの感性が凝縮された作品です。特に第2楽章のラルゴは、シンプルな旋律ながら深い情感を湛えた名曲として広く知られています。
2つのチェンバロと弦楽のための協奏曲 ハ長調 BWV.1061
2台のチェンバロが対話しながら、弦楽器とともに進行するこの協奏曲は、技巧と音楽的な表現力が融合した作品です。各楽章でチェンバロ同士の掛け合いが巧みに展開され、特に終楽章の活気が印象的です。
4つのチェンバロと弦楽のための協奏曲 イ短調（アントニオ・ヴィヴァルディの協奏曲ロ短調作品3-10による編曲） BWV.1065
ヴィヴァルディの協奏曲を編曲したこの作品は、4台のチェンバロがそれぞれの声部で華麗なアンサンブルを展開します。各楽章でチェンバロと弦楽が緊密に絡み合い、バロック音楽の躍動感を存分に味わえる名作です。
ブランデンブルク協奏曲第1番 ヘ長調（ヴィオリーノ・ピッコロ、3本のオーボエ、ファゴット、2本の狩猟ホルン、弦楽と通奏低音のための） BWV.1046
狩猟ホルンやオーボエが活躍するこの協奏曲は、牧歌的な雰囲気と荘厳さが絶妙に調和した作品です。全4楽章から成り、第3楽章以降にはメヌエットやポロネーズなどの舞曲が組み込まれています。壮麗な音響効果と軽やかなリズムが特徴で、バッハの多彩な管弦楽技法が存分に発揮されています。
ブランデンブルク協奏曲第2番 ヘ長調（トランペット、オーボエ、リコーダー、ヴァイオリン、弦楽と通奏低音のための） BWV.1047
4つの独奏楽器（トランペット、オーボエ、リコーダー、ヴァイオリン）が主役となり、それぞれが技巧を競い合うような構成になっています。特に第1楽章での高音域トランペットソロは華麗さの極みで、オーケストラと独奏楽器の掛け合いが見事です。バッハの協奏曲の中でも特に躍動感に満ちた作品です。
ブランデンブルク協奏曲第5番 ニ長調（チェンバロ、ヴァイオリン、フルートと弦楽のための） BWV.1050
チェンバロが独奏楽器として前面に出る画期的な作品で、特に第1楽章におけるチェンバロの長いカデンツァは圧巻です。フルート、ヴァイオリンとの絡み合いが豊かな色彩を生み出しており、第2楽章では穏やかで抒情的な旋律が展開されます。第3楽章は明るくエネルギッシュなフィナーレで締めくくられます。
オルガンソナタ第6番 ト長調 BWV.530
バッハの6つのオルガンソナタの中でも特に軽快で明るい作品で、3楽章構成となっています。第1楽章は活気に満ちた旋律が展開され、第2楽章では静謐で叙情的な雰囲気が漂います。特に第3楽章は明るくリズミカルで、華やかな終わり方が印象的です。
前奏曲とフーガ ホ短調 BWV.548
壮大で荘厳な作品で、「ウェディング・フーガ」としても知られます。前奏曲は劇的な旋律が展開され、オルガンの豊かな響きを生かした構造となっています。フーガでは緻密な対位法が駆使され、各声部が織りなす調和が圧倒的です。
フーガ ト短調 BWV.578
「小フーガ」の愛称で親しまれるこの作品は、シンプルながらも力強い旋律と緻密な構成が特徴です。軽快な主題が次第に展開され、オルガンの音響の魅力を最大限に引き出しています。短いながらも聴き応えのある名作です。
トッカータとフーガ ニ短調 BWV.538
ドラマチックな展開を持つこの作品は、力強いトッカータ部分と、対位法的に構築されたフーガ部分で構成されています。「ドリア調のトッカータ」とも呼ばれ、簡潔な主題がフーガで高度に展開されます。全体を通して、壮大な響きと繊細な音楽性が感じられます。
トッカータとフーガ ニ短調 BWV.565
バッハのオルガン作品の中でも最も有名なこの曲は、激しいトッカータの冒頭で始まり、その後フーガに移行します。フーガ部分では、簡潔で力強い主題が繰り返され、オルガンのダイナミックな表現が聴きどころです。劇的な効果が強調されたバッハらしい作品です。
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV.564
3つの異なる楽章から成る独特な構成の作品で、バッハの創造性が感じられます。トッカータ部分は技巧的で華やか、アダージョでは深い感情が表現され、最後のフーガは構成の巧みさが際立っています。それぞれの楽章が個性的で、演奏者の表現力が試される作品です。
幻想曲とフーガ ト短調 BWV.542
幻想曲部分は即興的な要素が強く、劇的で壮大な音楽が展開されます。続くフーガでは、明確な主題が緻密に発展し、バッハの作曲技法の高さを感じさせます。この作品は、バッハのオルガン音楽の中でも特に深い印象を残す一曲です。
主イエス・キリストよ、我汝に呼ばわる – Ich ruf zu dir， Herr Jesu Christ BWV.639
シンプルで深い感情が込められたコラール前奏曲で、静謐で瞑想的な旋律が特徴です。短いながらも、バッハの宗教的な感情と音楽性が凝縮された名作です。
目覚めよ、我らに呼びかける声 – Wachet auf， ruft uns die Stimme BWV.645
「シュープラー・コラール」の一曲で、優雅な旋律と豊かなハーモニーが特徴です。美しいリコーダー風の声部が目立ち、礼拝やコンサートでよく演奏されます。
キリスト我らの主、ヨルダン川に来たる – Christ unser Herr zum Jordan kam BWV.684
宗教的な荘厳さと抒情的な旋律が融合した作品で、オルガンの多彩な表現力が光ります。深い精神性が感じられる一曲です。
パッサカリアとフーガ ハ短調 – Passacaglia and Fugue in C minor BWV.582
バッハのオルガン音楽の中でも特に壮大な作品で、繰り返されるテーマとその変奏が印象的です。続くフーガでは、テーマがさらに発展し、全体を締めくくります。バロック音楽の傑作として広く知られています。
パストレッラ ヘ長調 – Pastorella in F major BWV.590
牧歌的な雰囲気を持つ作品で、明るく穏やかな旋律が特徴です。リラックスした気分を誘う、親しみやすい一曲です。
ただ神にのみ栄光あれ – Allein Gott in der Höh’ sei Ehr’ BWV.771
荘厳な和声とシンプルな旋律が融合したコラールで、バッハの宗教音楽の深い精神性を感じさせる作品です。
インヴェンション第1番 ハ長調 BWV.772
この曲は明快な旋律と対位法の技法が特徴で、初心者にも親しみやすい作品です。バッハの鍵盤音楽の中でも基本的な練習曲としてよく知られ、短いながらも音楽的な深さを持っています。
インヴェンション第8番 ヘ長調 BWV.779
軽快で明るい雰囲気を持つ曲で、左右の手が織りなす対話が魅力的です。旋律が次第に発展していく構造が見事で、演奏する楽しさと学びが詰まった一曲です。
イギリス組曲第1番 イ長調 BWV.806
壮大なプレリュードから始まり、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグなどの舞曲が続きます。明るくエレガントな雰囲気が全体を支配し、華やかさと技巧が融合した作品です。
イギリス組曲第2番 イ短調 BWV.807
この組曲は、厳かなプレリュードと表情豊かな舞曲が特徴です。特にアルマンドの抒情性とクーラントの躍動感が際立っており、深みのある音楽が展開されます。
イギリス組曲第5番 ホ短調 BWV.810
劇的なプレリュードから始まり、全体にわたって荘厳で重厚な雰囲気を持つ組曲です。特にサラバンドの深い抒情性とジーグの活気が印象的で、演奏者の表現力を問う作品です。
フランス組曲第1番 ニ短調 BWV.812
シンプルながらも優美さが際立つ組曲です。各舞曲が緻密に作られながらも親しみやすく、バッハの鍵盤作品の中でも特に人気の高い一曲です。
フランス組曲第4番 変ホ長調 BWV.815
この組曲は華やかで明るい舞曲が特徴で、リズミカルでエネルギッシュな構成が魅力です。アルマンドとクーラントの流麗な旋律が印象的で、全体を通して軽やかさが感じられます。
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971
独奏鍵盤楽器でイタリアの協奏曲スタイルを表現した作品で、活気に満ちた第1楽章、抒情的な第2楽章、技巧的で華麗な第3楽章が特徴です。バッハの鍵盤音楽の代表作の一つとして広く親しまれています。
平均律クラヴィーア曲集 第1巻 前奏曲とフーガ第1番 ハ長調 BWV.846
シンプルで美しい旋律が特徴のプレリュードと、緻密な対位法で構成されたフーガから成る作品です。クラシック音楽の象徴的な作品として、初心者からプロまで多くの人に愛されています。
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903
幻想曲部分は即興的な要素が強く、劇的で自由な展開が印象的です。フーガ部分は緻密な構造を持ち、感情と理性が融合したバッハの傑作です。
トッカータ ハ短調 BWV.911
華麗で技巧的な冒頭部と、落ち着いた中間部、緻密に構成されたフーガが一体となった作品です。ダイナミックでドラマチックな音楽が展開され、鍵盤音楽の高度な一曲です。
ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
アリアと30の変奏から成る作品で、鍵盤音楽の最高傑作とされています。シンプルで美しい主題が、技術的にも音楽的にも多彩に展開され、聴き手を引き込む構成が見事です。
親愛なる兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ 変ロ長調 BWV.992
軽やかで親しみやすい旋律が特徴のカプリッチョで、各楽章が兄の旅立ちをテーマにしたストーリー性を持っています。感情豊かでユーモアも感じられる作品です。
無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番 ト短調 BWV.1001
3楽章構成で、フーガ部分が特に特徴的です。ヴァイオリン独奏の可能性を追求した作品で、対位法的な技法が見事に駆使されています。
無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004
特に終曲の「シャコンヌ」が有名で、壮大で複雑な構成を持ちます。全体を通してヴァイオリンの技術と表現力が試される作品です。
無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番 ホ長調 BWV.1006
明るく華やかな雰囲気を持つ作品で、特にプレリュードが親しまれています。軽快な舞曲が続き、技巧的ながらも聴きやすい一曲です。
無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV.1007
チェロ音楽の代表作として広く知られ、特にプレリュードは最も有名です。シンプルながらも深い音楽性を持ち、チェロの表現力が堪能できる作品です。
無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV.1013
フルート独奏のための唯一の作品で、豊かな旋律とフルートの技巧が融合しています。各舞曲が個性的で、バロック音楽の魅力が凝縮されています。
フルートとチェンバロのためのソナタ ロ短調 BWV.1030
バッハの室内楽作品の中でも特に洗練された作品で、3楽章構成。チェンバロとフルートが対等な立場で旋律を展開し、対話を繰り広げる。第1楽章は抒情的で幻想的な雰囲気を持ち、第2楽章は穏やかで美しい旋律、第3楽章は活気に満ちたフィナーレを構成する。
フルートとチェンバロのためのソナタ 変ホ長調 BWV.1031
優雅で親しみやすい作品で、第2楽章の「シチリアーノ」は特に有名。静かで情感豊かな旋律が特徴的で、フルートの美しい音色が際立つ。全体を通して軽快さと洗練さが感じられる。
フルートと通奏低音のためのソナタ ホ短調 BWV.1034
フルートが主役を担い、通奏低音が伴奏として旋律を支える作品。悲しみを湛えた第1楽章から始まり、第2楽章では抒情的な美しさが広がる。第3楽章は力強く展開され、第4楽章は軽快でリズミカルなフィナーレとなっている。
マタイ受難曲 BWV.244
ッハの宗教音楽の最高傑作とされる作品。二重合唱と二重オーケストラによる壮大な編成で、イエスの受難を描く。感情豊かなアリアと深い祈りを感じさせるコラールが随所に配置され、聴衆を強く引き込む。特に「主よ、憐れみたまえ」は広く知られる。
ヨハネ受難曲 BWV.245
『マタイ受難曲』よりも緊張感が強く、劇的な要素が特徴の作品。イエスの受難を簡潔かつ力強く描写しており、合唱、アリア、レチタティーヴォが密接に絡み合う。特に合唱部分の力強い表現が印象的。
ミサ曲 ロ短調 BWV.232
バッハの宗教音楽の頂点に位置する作品で、壮大なスケールと多彩な音楽構成が特徴。典礼文に基づき、深い宗教的感情とバッハの対位法的技術が結実している。特に「キリエ」や「グローリア」はその荘厳さで名高い。
マニフィカト ニ長調 – Magnificat in D major BWV.243
聖母マリアの賛歌を基にした作品で、華やかで壮麗な音楽が展開される。独唱、合唱、オーケストラが織りなす色彩豊かな構成が特徴で、祝祭的な場面で演奏されることが多い。
ああ、愛するキリスト者たちよ、慰めを得よ – Ach， lieben Christen， seid getrost BWV.114
バッハの宗教カンタータの一つで、信仰の慰めと喜びを歌う作品。美しいコラール旋律と豊かな和声が特徴で、全体を通して平和と希望の雰囲気が感じられる。
キリストは死の絆に捕らわれた – Christ lag in Todes Banden BWV.4
バッハ初期のカンタータの一つで、復活祭の喜びを描く。コラールの形式に基づき、シンプルながらも深い感情が込められた作品である。
主は我らを覚えたもう – Der Herr denket an uns BWV.196
結婚式のために作曲された小規模なカンタータ。祝祭的で明るい音楽が特徴で、軽快な合唱とシンプルなアリアが親しみやすい。
堅き砦は我が神 – Ein feste Burg ist unser Gott BWV.80
ルターの讃美歌を基にした宗教カンタータで、信仰の力強さを表現した作品。合唱部分の荘厳さとアリアの抒情性が印象的で、バッハの代表的なカンタータの一つ。
天の栄光、神に栄えあれ – Gloria in excelsis Deo BWV.191
『ミサ曲 ロ短調』の一部を転用した作品で、祝祭的で壮大な音楽が特徴。「グローリア」を中心に、輝かしい合唱とオーケストラが一体となって展開される。
神の時は最善の時 – Gottes Zeit ist die allerbeste Zeit BWV.106
「Actus Tragicus」とも呼ばれる初期のカンタータで、葬儀のために作曲されたとされています。静謐で深い祈りが込められた作品で、バッハの対位法の技巧が凝縮されています。特にリコーダーやヴィオラ・ダ・ガンバを用いた独特の編成が印象的です。
心と口と行いと命 – Herz und Mund und Tat und Leben BWV.147
「主よ、人の望みの喜びよ」が含まれることで有名なカンタータです。信仰と感謝をテーマにし、美しい合唱とアリアが織りなす内容は聴く者を引き込みます。
全地よ、神を歓呼せよ – Jauchzet Gott in allen Landen BWV.51
ソプラノ独唱とトランペットの華やかな旋律が特徴の祝祭的カンタータです。技術的な難易度が高いにもかかわらず、その明るく力強い音楽は広く愛されています。
イエスよ、汝は我が魂 – Jesu， der du meine Seele BWV.78
深い信仰を歌うカンタータで、冒頭の合唱が特に有名です。厳かな雰囲気の中に、信仰の喜びが美しく表現されています。
イエスは十二弟子を呼び寄せ給うた – Jesus nahm zu sich die Zwölfe BWV.22
教会暦の時期に合わせて作曲されたカンタータで、イエスが弟子たちに語りかける場面を描いています。レチタティーヴォやアリアの対話的な構成が特徴的です。
おお永遠よ、雷鳴の言葉よ – O Ewigkeit， du Donnerwort BWV.20
永遠というテーマを中心に据えたカンタータで、厳粛な雰囲気が漂います。コラール形式が取り入れられ、音楽的にも重厚な内容です。
目覚めよ、声が我らを呼ぶ – Wachet auf， ruft uns die Stimme BWV.140
バッハのカンタータの中でも特に有名な作品で、婚礼のたとえをテーマにしたものです。冒頭のコラールや中間部の美しいアリアが広く知られています。
目覚めよ！祈れ！祈れ！目覚めよ！ – Wachet! betet! betet! wachet! BWV.70
終末をテーマにした作品で、警告と希望が交錯する構成となっています。緊張感ある合唱と抒情的なアリアが印象的です。
如何に美しき朝の星か – Wie schön leuchtet der Morgenstern BWV.1
明るく祝祭的なカンタータで、星の象徴を用いた宗教的なテーマを描きます。冒頭の合唱は特に荘厳で、美しい旋律が印象に残ります。
去れ、憂いに満ちた影よ – Weichet nur， betrübte Schatten BWV.202
ソプラノ独唱による世俗カンタータで、春の訪れを喜ぶ内容です。軽やかで明るい雰囲気が特徴で、親しみやすい旋律が魅力です。
私が喜ぶのはただ陽気な狩りだけ – Was mir behagt， ist nur die muntre Jagd a.k.a. Hunting BWV.208
「狩のカンタータ」として知られ、狩猟の喜びをテーマにしています。ソプラノ、アルト、テノール、バスがそれぞれ役割を持つアリアと合唱が組み合わさっています。
静かに、話さないで – Schweigt stille， plaudert nicht a.k.a. Coffee BWV.211
「コーヒー・カンタータ」として親しまれ、コーヒーに対する愛情をコミカルに描いた世俗カンタータです。軽快でユーモアあふれる音楽が特徴です。
我らは新しい支配者を得た – Mer hahn en neue Oberkeet a.k.a. Peasant BWV.212
「農民カンタータ」と呼ばれ、村の生活を題材にしたユーモラスな世俗カンタータです。バロック音楽の親しみやすさが感じられる作品です。
イエス、私の喜び – Jesu， meine Freude BWV.227
6声の無伴奏合唱のためのモテットで、コラールを基にした荘厳で感情豊かな作品です。各声部が織りなす対位法的な構造が印象的です。
クリスマス・オラトリオ – Christmas Oratorio BWV.248
6つのカンタータから成る大規模な作品で、クリスマスを祝う物語が描かれています。華やかな合唱と美しいアリアが特徴で、バッハの宗教音楽の中でも特に愛されています。
音楽の捧げもの – The Musical Offering BWV.1079
フリードリヒ大王から提示された主題を基に作曲された作品で、カノン、リチェルカーレ、ソナタが含まれます。高度な対位法と創造性が光る傑作です。
フーガの技法 – The Art of Fugue BWV.1080
バッハ晩年の未完の作品で、フーガの技術を極限まで追求した内容です。1つの主題をもとに多様なフーガとカノンが展開され、音楽的・理論的に非常に高い価値を持ちます。